前回からの続き。私はヒトミ。兄と妹がいて、3人きょうだいの真ん中です。ひとり暮らしの父は介護が必要な状態ではなかったものの、家事を手伝うためによく実家へ通っていました。しかし、病気が原因で入院してから数か月ほどで亡くなってしまった父。葬儀後に父の荷物を整理していると、私が死亡保険金の受取人になっている生命保険の保険証券が出てきたのです。あわてて兄と妹に話したところ、「ズルい」と2人は不満顔です。トラブルに発展してしまいそうな予感です……。
たしかに父からは「死亡保険金の受取人はヒトミにしておく」と言われたことはありましたが、当時は冗談だと思っていたのです。そのことを話すと、妹に「お金目当てでお世話してたんじゃないの」なんて言われてしまいました……。
これでは埒があかないので、私はこの場を収めるために「3人で平等に分けるか、家のために使うのは？」と妥協案を出しました。でも「おこぼれなんかもらいたくない」と2人の怒りは収まりません。今は、何を言っても逆効果のようです。
妹は「保険金をもらうためにお世話していた」「父を騙して受取人にさせた」など言いたい放題。ペラペラとありもしないことを話すので、私は思わずカッとなってしまいました。
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「ズルい！」「小賢しい！」と私を責める言葉が次々と飛び出てきます……。
死亡保険金の受取人が私になっていることを確認した2人は怒り出し、私に文句を言いはじめました。
私が3人で分けようと言ったところ、ますますヒートアップ。兄は家と土地の相続を主張しはじめました。
そして妹は「私が父を騙して保険金の受取人にさせた」と騒ぎ出し、さすがの私も堪忍袋の緒が切れる展開に。思わず大声を出してしまいました。
【第4話】へ続く。
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