11月1日、2024年MotoGP第19戦マレーシアGPの初日セッションがセパン・インターナショナル・サーキットで行われ、午後のプラクティスでモンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは6番手、アレックス・リンスは8番手となり、第2戦ポルトガルGP以来となるダイレクトでのダブル予選Q2進出を決めた。
前戦タイ・ブリーラムよりも赤道に近いマレーシア・セパン。朝から蒸し暑くライダーに厳しいコンディションでフリー走行1回目が始まった。開始10分でほとんどのライダーがタイムを出し、クアルタラロは2分01秒416とトップタイムから0.315秒差の2番手タイムを刻み、リンスは、2分02秒443で16番手と続く。
その後もクアルタラロは積極的にアタックし、開始15分過ぎに2分00秒584でトップタイムをマーク。次のラップも全く同じタイムを記録し、ピットに戻った。セッション後半、リンスは順調に周回を重ねていくが、クアルタラロはマシンにトラブルが発生したのか、ガレージで長い時間を過ごした。
残り12分ごろにリンスは、ニュータイヤを履いて3回目のランへコースインすると、徐々にタイムを縮めていき、終盤のアタックで2分00秒958のラップタイムを記録し、16番手となった。
クアルタラロは、一度確認走行を挟んで、終盤にコースインするも、自己ベストは更新できず8番手でセッションが終了。不安な要素があるものの、予選Q2へダイレクト進出に期待がかかるタイムを見せた。
路面温度が52度とさらに暑くなった午後のプラクティス。ヤマハ勢は、序盤からプッシュし、クアルタラロが2周目に1分59秒286を記録し、リンスも1回目のランで1分59秒934と、いきなりふたりとも2分を切るタイムを叩き出した。
セッション中盤、クアルタラロは、フロントにすでに14周走ったタイヤを履いてコースインすると、2分00秒台のペースで走り、レースペースを確認した。一方でリンスは、マシンに変更を加えたのか、確認走行を繰り返した。
終盤に差し掛かった残り12分、リンスが1分58秒774で3番手に浮上すると、クアルタラロは3回目のランで1分58秒438と自己ベストを更新。最終ランを前にクアルタラロが4番手、リンスが7番手と予選Q2へダイレクト進出の期待がかかる位置につけた。
アタック合戦が繰り広げられた最終ランでは、リンスがいきなり1分58秒336の自己ベストを出し4番手に浮上する。その後、イエローフラッグなどの影響を受け、タイムを更新できなかったものの8番手でセッションを終えた。
クアルタラロも最後のアタックで1分58秒303まで縮めて6番手となり、第2戦ポルトガルGP以来となるふたり揃っての予選Q2へダイレクト進出を決めた。
前戦タイGPでは、不運にもノーポイントとなったものの、クアルタラロが上位グリッドを獲得し、レースでもリンスは入賞圏内に入る好ペースで走っていた。暑いコンディションのセパンで初日から好調なヤマハ勢。ポイント獲得のチャンスを逃すまいとする予選・スプリントでの走りに期待したい。
■ファビオ・クアルタラロ(FP1:8番手、プラクティス:6番手)
「本当にいい一日だった。いつもはタイムアタックで苦戦しているけれど、レースペースで既にいいラップタイムを刻んでいた。今朝はグリップの低いコンディションで、ハードでのラップタイムがとても印象的だった。このタイヤでライブタイミングのトップ10に長く居れたからね」
「今日は、基本的にタイと同じマシンで走った。アレックスとふたりでQ2に進出できてハッピーだよ。改善しなければならない点はいくつかあるけれど、マシンのフィーリングはとてもいいし、本当にポジティブな日だったよ」
■アレックス・リンス(FP1:16番手、プラクティス:8番手)
「今日はたくさんの情報を収集できた日だった。ヤマハは新しいエンジンを持ち込んだ。ベースが少し違うんだ。セットアップが僕たちのベースマシンに近かったから、新しいエンジンでタイムアタックした」
「全体的にはペースはあまり良くないけれど、Q2には進出しているし、明日に向けて改善する余地はあるよ」