中村仁「楽しさを感じた」小林利徠斗「差を縮めたい」TGR-DC育成ドライバーのマカオGP初日

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2024年11月15日 06:40  AUTOSPORT web

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第71回マカオグランプリ 中村仁(TOM'S Formula)
 11月14日に開幕した第71回マカオグランプリ。メインレースとなるFIAフォーミュラ・リージョナル・ワールドカップではこの日フリー走行1回目(FP1)と予選1回目(Q1)の2セッションの走行が行われた。

 ウエットコンディションとなった初日を終えて、TGR-DC(TGRドライバー・チャレンジ・プログラム)育成ドライバーで今大会にTOM'Sから参戦する小林利徠斗と中村仁にギア・サーキットの感触や手応えを聞いた。

 FP1を17番手、予選Q1を19番手で終えた中村仁は、アクシデントもなく周回を重ね、日本チームから参戦する4名のなかでは最上位をキープして初日を終えた。

「初めてのストリートコースで、最初は怖いと感じましたが、段階を追うごとに怖さを上回る楽しさを感じた初日でした。結果としてはまだまだではありますが、楽しい1日でした」と中村。

「今まで経験したことのないほど、路面はバンピーで横幅も狭いチャレンジングなストリートコースでしたが、楽しかったですね」と、ポジティブに初日を終え、難関コースを少しづつ攻略するステップを楽しむことができたようだ。

 また、初日は終日ウエットでの走行となったが、ドライが予想される土曜日(予選レース)、日曜日(決勝)に向けても、得られたものも少なくはないようだ。

「明日(15日/金曜日)も雨が降った場合、土曜日までに路面が乾き切らない部分もあるかもしれません。乾き切っていない部分における走り方や水が溜まりやすい場所はどこなのかを目で確認できたので、その点はこの週末を通してポジティブだと感じます」

 現状の順位は後方ではあるものの、日本チームから参戦する4名のうち最上位をキープして初日を終えた中村。特にQ1では路面が乾いたタイミングで計測ラップを刻めたという要素もあったが、初日からある程度攻めた走りを見せることができた要因はそれだけではなかった。

 マカオGP初参戦の中村だが、2023年第70回マカオグランプリのFIA F4レースにTGR-DC育成ドライバーの小山美姫が参戦した際に中村も帯同。昨年も2周コースウォークに参加していたという。今回も自らの足で2周確認し、計4周コースの観察に当てたことになる。その経験が活きた1日だったようだ。

「マカオでやるべきこと、やってはいけないことを昨年学ばせていただき、判断力の部分において、まったく初めて訪れるよりは間違いなくプラスに活きたと感じます」と語った中村。

「何よりも、楽しめたことが成長に繋がると感じています」

 一方で、小林利徠斗にとっては難しい初日となってしまった。FP1では開始から15分が経過した際にターン3(リスボア・ベンド)でクラッシュ。今年のマカオGP最初の赤旗の原因となってしまった。続くQ1でもクラッチトラブルでマシンを止めることになった。

「エスケープゾーンもない市街地コースですので、常設サーキットでは気にしない本当に細かいミスがクラッシュに繋がるので非常に難しいです」と、コースの感触を語った小林。

 FP1ではブレーキングポイントを見極めるなかでのクラッシュとなってしまった。

「マカオもそうですし、フォーミュラ・リージョナル(FR)というクルマでの走行経験が少なく、クルマとコースの限界がわからないまま走ってしまった結果です。チームにはすごく申し訳ないです」

 2023年日本のFIA-F4でチャンピオンを獲得し、今季は全日本スーパーフォーミュラ選手権(SFライツ)とスーパーGT GT300クラスに参戦する小林。

 SFライツとFRのマシンの感触の違いを尋ねると「ストレートスピードは変わらないくらいだと思います。SFライツは凄まじくダンフォースが出ているクルマですのでラップタイムは変わります」と話した。

「マカオに関しては基本的に路面がグリップしません。日本でSFライツに乗る際にはグリップしすぎる、速すぎるなと感じることもあるレベルですが、SFライツの車両がここで走ればちょうどいいのではないかな、なんて思ったりもしました」

「FR(今回はピレリタイヤ)はグリップもしないですし、路面もグリップしません。それでいてターボ車でパワーも出るので扱いは難しいですね。純粋なスピードの乗り以上にトルクの太さを感じ、この路面では結構ホイールスピンもします」

 なお、Q1でターン3(リスボア・ベンド)のエスケープでマシンを止めた際は、クルマの限界を感じるべくターン3で攻めた末、曲がれないと感じエスケープに逃れたという小林。ここからコースに戻るはずだったが、まさかの自体が起きた。

「エスケープでUターンして戻ろうとした際に、ギヤを1速とリバースで何度か行き来している間におそらくクラッチが熱をもったか何かで、クラッチを踏んでもギヤと固着したかのように動かなくなりました。ニュートラルにも入れることができず、どうすることもできずにクルマを止めました」

 初日は限界を攻める間もわずかになってしまった小林。

「明日(15日)は晴れてほしいですが、また不安定なようです。そんななかでも少しづつ、マカオに慣れていきたいと思っています。少しでもライバルとの差を縮めていきたいです」

 第71回マカオグランプリのFRワールドカップ、2日目となる15日は日本時間10時20分からFP2、日本時間15時55分から予選Q2が行われる。

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