11月15〜17日にかけて、スペインのカタロニア・サーキットにて2024年MotoGP第20戦ソリダリティGPが開催される。今シーズンをもってMotoGPからの引退を表明し、来季からはHRCのテストライダーとなるアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が、木曜日の囲み取材に応じ、最後のレースへの意気込みを語った。
エスパルガロは、5月に同じくカタロニア・サーキットにて開催されたMotoGP第6戦カタルーニャGPでプレスカンファレンスを行い、今季限りでの現役引退を発表した。その発表後のレースウイークでは、土曜日の予選でオールタイムラップレコードを更新する走りでポールポジションを獲得し午後のスプリントレースでは優勝。日曜日の決勝レースでは4位でゴールした。
また、2023年のカタルーニャGPではスプリントレース、決勝レースともに優勝を飾っている。ここカタルーニャはエスパルガロの地元であり、カタロニア・サーキットは例年好成績を残す得意なサーキットと言えるだろう。そんなエスパルガロは、地元での最終戦をどんな感情で迎えるのだろうか。
「これが最後のレースだって考えないようにするのは不可能だね。前回のバルセロナの木曜日は、とても感動的な日だった。でもそのあとの金曜日は、普通の週末と同じだったんだ」
「でもこれは普通の週末ではなく、とても特別な週末だ。昨日の夜、妻と一緒にサーキットに到着したときは、ちょっと不思議な気分だった。小さい頃から、僕にとって最終戦というものはレースじゃなくてパーティなんだ。僕は『バレンシアのパーティー』って呼んでいる」
「だからバレンシアではなくてバルセロナにいるのは変な感じだよ。でも、どちらにせよこのサーキットはとても特別で、地球上で最高の場所。日曜日にはバレンシアの人たちを楽しませられるようなショーを見せて、彼らのために多くの資金を集めることができればいいと思うし、僕にとっても特別なものになることは間違いないよ」
「最後のレースだから集中するのは難しいけれど、同時に僕はここで勝利を目指して戦うために、かなりしっかり準備をしてきたんだ」
「今年最初のバルセロナGPでは勝つことにとても執着していたけれど、今回はちょっと違う。アプリリアに乗るのはこれが最後だから、後悔はしたくないんだ。楽しみたいし、笑顔でいたい。もちろん、勝利を目指して戦うつもりだけど、何が起きても笑っていると思うよ。メカニックのこともアプリリアのことも、多分すぐに恋しくなるだろうからね」
「優勝争いは100%できると思うよ。でも、僕にとってはホルへ(・マルティン)がチャンピオンになることが最優先だ。僕は彼を息子のように愛しているからね。多分彼は土曜日にチャンピオンを決めるだろうけど、その場合僕も少しは助けになれるはずだよ。もし土曜日でホルヘがタイトルを獲得できるなら、日曜日のレースはもう少しリラックスしたものになるだろうし、僕たちにもチャンスが巡ってくるだろうね」
「もし日曜日に優勝争いができるなら、それはもう信じられないことだ。でも、彼が日曜日もタイトルをかけて戦っているのなら、また違った戦い方をしなければならないかもね。そんな状況にならないことを祈るけれど」
「5月のレースではハードコンパウンドのタイヤでレースをしたけれど、今回は気温がその時より低いからハードタイヤを使うことはないと思う。ソフトタイヤではレコードを更新したし、ドゥカティとも戦えると思うよ」
MotoGPラストレースを優勝経験のある地元サーキットで迎えるアレイシ・エスパルガロ。現役最後の走りに刮目せよ。