「TBSの“ブギシリーズ”を手がけたプロデューサーの八木康夫さんには、子役時代にポーラテレビ小説『元気です!』に出演してからお世話になっていて、ほかのドラマのオーディションにも呼ばれていたんです。でも、八木さんは役者と役のフィッティングを大事にするので、なかなか出演できませんでした。どうやら『予備校ブギ』で演じた、東大を目指す、眼鏡の仮面浪人生役が私のイメージに合ったみたいですね(笑)」
こう語るのは長谷川真弓さん(54)だ。八木氏が手がけた『うちの子にかぎって…』『パパはニュースキャスター』からもわかるように、少し頼りない、人間味あふれた主人公が特徴だという。
「早稲田大学を目指しつつ、遊び好きな友人に流されて成績で苦戦する。そんな頼りなさがある等身大の主人公を、緒方直人くんがすごく上手に演じていたのが印象的でした」
織田裕二との共演は、同ドラマが3作目だった。
「北方領土をテーマにした『北の海峡』では、極寒の根室で2週間ほどロケをしました。織田くんのテレビドラマ初主演作『十九歳』でも共演していたので、現場であったときは『おお、また一緒だね』と声を掛け合いました」
|
|
的場浩司は、筋の通らないことが嫌いな性格だったという。当時、大学に通いながら撮影現場に来た長谷川さんは「なんで役者をやるのに、わざわざ大学に行くんだ」と質問された。
「それで『仕事のためにも文学の勉強をしたいから』って答えると、『ただ、大学に行きたくて行っているなら許せないけど、それならいい』と許してくれました(笑)。根が真面目なんですね」
それまで社会派ドラマの出演が多かったため、同年代の仲間との撮影現場は楽しかった。
「楽屋を行き来したり、一緒にお弁当を食べたりしました。みんなでワイワイやっていると、予備校教師役の田中美佐子さんが、顔を出して『この時期、みんな一緒で楽しいよね』って、少しうらやましそうでした」
撮影後に時間が合えば、食事に行くこともあった。
|
|
「直人くんと一緒に(渡辺)満里奈ちゃんの家に遊びに行ったりしました。当時、私は児童劇団に所属していたので、移籍先の芸能プロダクションを探していたところ、満里奈ちゃんに“スカウト”されて同じ事務所へ。私の役者人生を左右するような出会いを与えてくれた作品でもあったんです」
『予備校ブギ』(TBS系・1990年)
早稲田大学法学部の入試に向かう電車で痴漢に間違えられて浪人することとなった主人公の茂樹(緒方直人)と、予備校で出会った一朗(的場浩司)、薫(織田裕二)らによる青春群像劇。主題歌のフリッパーズギターの『恋とマシンガン』にもズキュン♡
【PROFILE】
はせがわ・まゆみ
|
|
1970年生まれ、山口県出身。12月20日(金)、渋谷公園通りクラシックスで公演される金田賢一プロデュース「朗読三昧」にゲスト出演。また、松田洋治とも定期的に朗読会を開催。詳細はオフィシャルブログに
動画・画像が表示されない場合はこちら
|
|
|
|
Copyright(C) 2024 Kobunsha Co., Ltd. All Rights Reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。