2024スーパーフォーミュラ公式テスト/ルーキーテスト Kids com Team KCMGピットでセッション4を見守るオリバー・ベアマン 12月11〜13日に鈴鹿サーキットで開催されている2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式テスト/ルーキーテスト。国内外さまざまなドライバーが参加することで大きな話題を集めているが、なかでも注目は来季のF1フル参戦が決まっているオリバー・ベアマンだろう。
現在19歳のベアマンは、カートからステップアップ後にADAC F4とイタリアF4を制すと、FIA F3にプレマ・レーシングから参戦してランキング3位を獲得。2023年と2024年はFIA F2に参戦していた。
また、フェラーリドライバーアカデミー所属のベアマンはF1世界選手権に参戦するハースとフェラーリのリザーブドライバーを務め、2024年サウジアラビアGPではカルロス・サインツの代役として急きょフェラーリから参戦して7位入賞。アゼルバイジャンGPとブラジルGPにはハースから出場し、2025年のF1フル参戦が決定している。
そんな“大物ルーキー”が鈴鹿サーキットでのスーパーフォーミュラ公式/ルーキーテストにKids com Team KCMGから参加する。チームの土居隆二代表兼監督は、自身もF1やFIA F2をよく見ているため、TOYOTA GAZOO Racingから『ベアマンを乗せてほしい』と話があった際には「ぜひお願いします」と返事をしたという。
土居代表は「今年のF1サウジアラビアGPにカルロス・サインツの代役としてフェラーリから急きょ参戦しましたよね。それでいきなり7位に入賞したことは本当に驚きましたし、すごく能力のあるドライバーだと感じました」とベアマンの事前印象を振り返る。
「またサウジアラビアGPだけはなく、今季はアゼルバイジャンGPでもハースで(ケビン・)マグヌッセンの代役で参戦したときにもポイントを獲得しています。シーズン中に異なるサーキットで異なるチームのマシンに乗り、スタッフも違うなかでポイントを獲得しています。ブラジルGPではポイントを獲得することはできませんでしたけど、やはりすごいドライバーだと思っています」
また、土居代表はベアマンのFIA F2での戦い方も印象に残っていると続ける。
「12月7〜8日のFIA F2最終戦は僕も見ていました。今年はプレマ・レーシングの調子が良いとは言いづらいシーズンでしたけど、ベアマンは予選で下位になっても、レースが終わってみれば必ずと言っていいくらい上位にきています。まだ19歳の若きイギリス人ドライバーですけど、スーパーフォーミュラテスト参加は本当に楽しみです」
ここまで、ほぼベタ褒めでベアマンを称賛する土居代表。走行を行うスーパーフォーミュラ公式/ルーキーテストの3日目に向けて、すでに2日目の正午に鈴鹿サーキットに来場したベアマンだが、土居代表はある部分を心配する。
「少し問題かなと感じていることは、(ベアマンの)身長が高いということです。184〜185cmあるということで、今まで僕たちのチームに乗ったドライバーのなかでは、いちばんの高身長です。なので“シート合わせ”が少し心配ですね(苦笑)」
思わぬ心配点を挙げた土居代表だが、ベアマンのテスト参加を本当に楽しみしている様子。今回のテスト参加経験をF1日本グランプリに活かしてほしいと語る。
「あまり気負わずに走ってほしいです。鈴鹿サーキットはシミュレーターでの走行経験があると思うので、実際の走行では『このコーナーはこんなアンジュレーションで、こういったバンク角がついてるんだな』ということをしっかりと習熟してもらいたいです」
「そういったかたちで、今回我々が与えたチャンスをうまく使ってほしいです。そうすることで、来年4月のF1日本グランプリが楽しみになりますし、もし上位を争うことになったら、僕たちにとっても『あのときテストをして良かったね』という楽しみがひとつ増えますからね」
最後には改めて「きっと良いドライバーなんでしょうね」と一言呟いた土居代表。13日(金)のテスト3日目、Kids com Team KCMGの7号車にサーキット中の視線が集まるだろう。