時速１９４キロ事故、双方控訴＝危険運転認め懲役８年判決に―大分

　大分市で２０２１年、時速１９４キロで死亡事故を起こしたとして自動車運転処罰法違反（危険運転致死）罪に問われた当時１９歳の被告の男（２３）を懲役８年（求刑懲役１２年）とした大分地裁判決について、大分地検は１２日、不服として控訴した。被告側も同日控訴した。

　遺族側が４日、「量刑があまりに軽い」として控訴を求める意見書を地検に提出していた。地検の小山陽一郎次席検事は「主張が一部認められなかった」と理由を説明。遺族は「安心した。適切な量刑判断を強く願う」とのコメントを出した。

　先月２８日の判決は、時速１９４キロで交差点に進入する行為は危険運転の要件の「制御困難な高速度」に該当すると認定。一方、「人や車の通行を妨害する目的があった」とする検察側主張は退けていた。

　判決によると、被告は２１年２月９日夜、法定速度が６０キロの大分県道交差点を時速１９４キロで直進し、対向車線を右折しようとした車に衝突。右折車を運転していた会社員小柳憲さん＝当時（５０）＝を死亡させた。