「エゴサーチは毎日」「自腹で“番組枠”を購入」YouTubeを15年間、毎日更新でもザコシショウがテレビにこだわり続ける理由

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2025年01月10日 16:20  女子SPA!

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「地元・静岡で冠番組を持ちたい」、かねて秘めていたそんな野望を50歳にして達成したのが、ピン芸人のハリウッドザコシショウさん。SBS(静岡放送)で月1回放送中のバラエティ番組『冠ザコシの冠冠大冠』がスタートし、話題を呼んでいます。「昭和の古き良きテレビの雰囲気を再現したい」と語るザコシショウさん、追い求めてやまない「テレビでしかできないこと」とは?

◆意識したのは、古き良き昭和のテレビ番組

――念願だった地元・静岡での冠番組がスタートしました。

ザコシショウ:小さい頃、松本人志さんの『一人ごっつ』や竹中直人さんの『東京イエローページ』なんかを観て、「俺もこんなことやれたらなぁ」とずっと思っていたんです。だから、地元で冠番組を持つのは長年の夢だった。叶えられてうれしいです。

――『冠ザコシの冠冠大冠』からは、「マネーの虎」のパロディコント「お金の虎」をはじめとする過去のヒット番組の再現や、昔の古き良き昭和のテレビの雰囲気が伝わってきます。

ザコシショウ:めっちゃ意識しています。昔のテレビは、笑福亭鶴瓶さんが局部を露出するシーンをそのまま流しちゃうみたいなおおらかな時代もありましたけど、いまはコンプラがうるさいですから。なかなかやれないことも多い。でも、あえて「え、こんなことをテレビでまだやってんのか!」と驚かれたいんです。

◆自分で番組枠を買って、やりたいことをやる

――2023年12月には、ご自身で初めてスポンサードした番組『提供ハリウッドザコシショウ』も放映されています。自分で番組枠を買って、やりたいことをやるなんてすごい試みだなと思いました。

ザコシショウ:お金の使い道が、特にないんです。ほかの芸人さんみたいにバイクや車、高級時計を買ったりしないし。キャバクラとかもまったく興味がないんです。だから、どうやって使うか考えたときに、自分で好きに番組を作れたらおもしろいなと思って。

――どのくらいのお金をかけたんですか?

ザコシショウ:……まぁ、高級外車1台分くらいですかね。

――すごい金額ですね……!

ザコシショウ:お金はかかりましたが、やってみていろんな気づきがあった。すごくいい経験になったと思います。あと、ファンの人の熱意もありがたかったです。神奈川県でしか放送されないし、特番だからTVer配信もなかったんです。

だから、大阪など全国各地から、わざわざ神奈川県のビジネスホテルに泊まりにきて番組を観てくれる人もいたみたいで。今回の静岡放送の冠番組は、TVerでも観られるので、ぜひいろんな方に観ていただきたいです!

◆今の時代に「テレビでしかできないこと」とは?

――ザコシショウさんは「HIKAKINさんよりも早くYouTube配信を始めた男」として知られているように、YouTubeチャンネルも以前から頻繁に更新されています。そんな中、「テレビにしかできないこと」ってなんだと思われますか。

ザコシショウ:僕は、一番影響力のあるメディアはいまだにテレビだと思うんです。ネットもたしかにすごいけど、ネットで売れている人とテレビで売れている人を比べたとき、テレビ出ている人のほうが強いと思っています。だから、ずっとテレビに出たいし、テレビで冠番組を持ちたかった。

そもそも、自分がYouTubeを始めたのも「万が一、今後自分の冠番組が始まった場合、きちんとできるように」という気持ちが強かったからこそ。だから、冠番組はかなり気合を入れて、これまでやりたかったことを全部詰め込んでいます。

◆「エゴサーチ」が欠かせない理由

――冠番組への反響はどうですか?

ザコシショウ:めっちゃ、反応はいいっすよ! あくまで、ネットのエゴサでの反応ですけど(笑)。

――あ、結構エゴサするんですね。

ザコシショウ:めちゃくちゃやっています。気がつけば、毎日やっているんじゃないかな。

――なぜ、そんなエゴサーチを?

ザコシショウ:以前、電気グルーヴの石野卓球さんにも言われたんです。「エゴサーチをしないと、自己プロデュースができなくなってしまう。この仕事では、自分が他人からどう見られているかがブレてしまうと致命的なので、絶対にエゴサーチをやったほうがいい」って。だから、エゴサをして、自分の行動をチューニングすることは多いです。

――ときには、アンチのコメントまで見ることになると思うんですけど、心が折れたりしないですか?

ザコシショウ:もちろん、ムカつくことも多いですよ! アンチのコメントなんかを見ていると、「なんでお前に文句いわれるんだ、嫌なら観るな!」とイライラすることもたくさんあります(笑)。とはいえ、表立って抗議したりはしないです。

時々、有名人でも、アンチのコメントに対して、ムキになって反論する人もいますよね。でも、あくまでプロである以上、素人と同じ土俵に立ってはいけないって思っていますから。たまーに、ライブのネタとして「こんなやつがいた」と使わせてもらっています(笑)。

◆当面の目標は冠番組のレギュラー番組化

――今後の目標を教えてください。

ザコシショウ:もちろん『冠ザコシの冠冠大冠』のレギュラー番組化です。月1でも、隔週でも週1でもどんな形でもいいので、絶やさず続けていくことが大事だなと思っているので。

地方のテレビ局は、どちらかというと地元ローカルの情報を扱うことが多いし、自社制作のバラエティ番組がそこまで多いわけじゃないので、この番組をきっかけにSBS(静岡放送)がお笑い番組を作るようになってくれたらと思っています。

地方だからこそ、番組内でできることは東京とはまた違うものになるだろうし、そこから新しいものが生まれたら、楽しいですよね。

【ハリウッドザコシショウ】
1974年2月13日生まれ、静岡県清水市(現・静岡市清水区)出身。「R-1ぐらんぷり2016」優勝。2021〜2024年にかけて、同大会審査員を4年連続で務める。SBS(静岡放送)『冠ザコシの冠冠大冠』、MBSラジオ『アッパレやってまーす!』などに出演。ハリウッドザコシショウX (@zakoshisyoh)、公式Youtubeチャンネル「ザコシの動画でポン!」

<取材・文/藤村はるな 撮影/尾藤能暢>

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