年明け早々に飛び込んできた、平川亮(TOYOTA GAZOO Racing/TGR)のBMW アルピーヌF1チームでのテスト兼リザーブドライバー就任、そしてF1日本GPの金曜日フリー走行出走のサプライズ発表。昨年はテストやFP1でマクラーレン、そしてハースで現役F1マシンを走行させた平川がどのように今季、F1でアルピーヌに所属することになったのか。今季、春名雄一郎氏(ラリー担当)と共にTGRグローバルモータースポーツディレクターに就任することになった加地雅哉氏に東京オートサロン2025の会場で聞いた。
「彼が自分の実力でつかんだものです」と平川のアルピーヌF1のテスト兼リザーブドライバー就任についた話す加地氏。
アルピーヌとトヨタ/TGRとして何かビジネス的な背景があるのか勘繰られていたが、加地氏はメーカー的な事情はないことを強調した。
「アルピーヌさんから純粋にオファーを頂いて、本人がプロドライバーとしてF1のレギュラーシートを獲りにいくという意志をしっかり持ってくれたので、TGRとしてはそれを応援する、そういう経緯になります」
これまで国内、そしてWEC(世界耐久選手権)、そして昨年のマクラーレン、ハースでのテストを間近で見てきた加地氏は、平川のドライバーとしてのポテンシャル、可能性に大きな期待を抱いている。
「僕はもう、彼はF1でも速く走れると思っていますし、日本GPの鈴鹿のFP1でも素晴らし走りをしてくれると信じていますし、その日本GPでの走行の結果でもまた、未来を切り拓いてくれると思って応援しています」と加地氏。
気になるのは、昨年のテストでハースF1の小松礼雄チーム代表が平川の走りを絶賛していたことから、ハースでのテストやリザーブ就任という線が考えられていたが、今後はTGRのドライバーとはどのような関係になっていくのだろう。
「ハースさんとの関係ももちろん続いていますので、今後にご期待頂けましたら」と、明言を避けた加地氏。
その加地氏も、東京オートサロン2025初日に発表されたリリースで、これまでのいわゆるTGRモータースポーツ担当部長という立場から、さらにグローバルな立場として、TGRグローバルモータースポーツディレクターに就任することが明らかになった。
「引き続きモータースポーツの発展のために、そしてファンのみなさまのために、モリゾウさんがやりたいことを実現していきたいと思っています。ドライバー、そしてTGRのスタッフ、エンジニアやメカニックがグローバルの場でしっかり輝けるように、そのフィールドを作っていくことが大事だと思っていますので、しっかり頑張っていきたいなと思っています」と加地氏。
グローバルな立場となり、今年はハースとの協業でF1に関わる割合も増えていくことは間違いなく、ハースとTGRの連携に関して加地氏の存在感はますます高くなる。
「みんなのために、誰かのために役に立てればということだけを思っています。モリゾウさんのもと、春名とタッグを組んでGRのみんなと一緒に、それぞれの夢と笑顔をしっかりプロデュースできるように仕事ができたらなと思っています」と、2025年の抱負を語った加地氏。
2025年TGRは昨年以上に幅広いカテゴリーで、モータースポーツファンを驚かせてくれそうだ。