否認することで身柄拘束が長引く「人質司法」で苦痛を受けたとして、出版大手「KADOKAWA」(東京都)前会長、角川歴彦(つぐひこ)被告(81)が国に2億2000万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、東京地裁であり、角川前会長は「(人質司法は)法律にも条理にも反する」と訴えた。国側は争う姿勢を示した。
角川前会長は、東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件で東京地検特捜部に逮捕・起訴された。組織委員会元理事への贈賄罪に問われて公判中で、無罪を主張している。
訴状によると、角川前会長は無罪を訴えて、起訴後も東京拘置所での勾留が続き、2023年4月に保釈された。
身体拘束は226日間に上り、その間、弁護士が保釈請求をしても証拠隠滅の恐れがあるとして複数回にわたって裁判所に退けられたとしている。
意見陳述で角川前会長は勾留中に持病の薬を通常通り服用できなかったとし、「殺されるかと思った。人質司法が存在することを認めてほしい。人間の尊厳を汚し、基本的人権を侵害するものだ」と述べた。【菅野蘭】
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