画像提供:マイナビニュースAlbaLinkは2月5日、「マンションの共有スペースでのトラブルに関する意識調査」の結果を発表した。調査は2024年12月22日〜2025年1月5日、マンションに住む男女270人を対象にインターネットで行われた。
○マンションの共有スペースで経験したトラブル
「マンションの共有スペースで経験したことがあるトラブル」を聞いたところ、1位は「私物が置かれている(21.9%)」、僅差の2位は「騒音がひどい(21.1%)」、3位「子どもが遊ぶ(17.4%)」となった。音や物、ゴミなど、さまざまなトラブルが寄せられた。
「私物を置く」「ゴミ出しルールを守らない」「無断駐車」などはルール違反であるケースが多いと考えられる。
一方、子どもが遊んで騒ぐのはあまり気にならないという声もあり、「騒音」「子どもが遊ぶ」などは、許容できる程度を超えたときにトラブルになりやすいと推測できる。
また、一部「住人ではない人が入ってくる」といった声もありましたが、来客や動物が問題を起こしているケースは少なく、主に住人内でトラブルが起きていることもわかった。
○1位「私物が置かれている」
共有スペースに私物を置くのは、「通路に私物を置くと、災害時の逃げ道を塞いでしまう」「ケガの原因になりかねない」といった理由から基本的に規約などで禁止されている。
しかし、「自転車の乗り入れ。"自転車は自転車置き場に"という決まりがあるのに、自宅前の共用スペースに置いている人が多いです」(50代 女性)、「隣人が共有スペースやベランダに業務用廃棄物のアルミサッシやクーラー室外機などの荷物を置いていて、それらが強風で飛び、車に傷をつけられた」(40代 女性)といったことがあるようだ。「ラウンジのような共有スペースに私物を置かれたことで場所が狭くなり、つまずいて転んでしまった」(20代 男性)という人もいた。
○2位「騒音がひどい」
「たむろしている学生がうるさい」(20代 女性)、「深夜に大声で騒ぎながら帰宅したり、階段に複数人で座り込み、長時間話したりなどの騒音トラブルがあった」(40代 女性)との声が寄せられている。
共有スペースは、住民同士が交流する場所になる。ロビーにソファや椅子がしつらえてあるマンションであれば、ロビーでおしゃべりする住人がいたり、来客を自宅ではなくロビーで迎える人もいるかもしれない。廊下や階段で顔見知りと会ったときに、会話することもある。ただ、談笑が夜遅い時間だったり、長時間大声で騒がれたりすると、迷惑に感じる人も多くなるだろう。
○3位「子どもが遊ぶ」
「子どもがマンションの中庭でボール遊びをして、住居の扉を傷つけた」(40代 男性)、「マンション入口前の階段部分でスケートボードをやる若者が後を絶たない」(50代 男性)など、ケガをしたり他人の財産を傷つけたりしかねない遊びが行われている例も多いようだ。「エントランスのコンセントで充電してゲーム」なども危険ではないが、共有スペースの掃除用に使う電気を個人で使うことを快く思わない人もいるだろう。
また長時間ロビーやエントランスで遊ばれると、他に共有スペースを使いたい人がなかなか使えなくなってしまう。広いロビーや共有スペースがあるマンションは、雨の日などに子どもたちが集まって遊べる貴重な場だが、他の住人への迷惑も考える必要があるとわかった。「親が注意しないのも問題」という指摘もあり、子どもだけの問題ではないと考えている人もいるようだ。
○4位「喫煙する」
「禁煙となっている共有部で、喫煙している住人がいたこと」(30代 男性)、「建物全体でタバコ禁止なのに、屋上やエレベーターでタバコを吸う人がいる」(30代 女性)といった声が寄せられている。
エレベーターや廊下などの共有スペースで喫煙すると、嫌煙家や子どもにとって迷惑になる。また「ベランダで喫煙している人がいて困る」という声も多かった。喫煙したい人は、ベランダの使い方は自由だと思うかもしれない。しかし、「健康被害」「防火」「隣戸の洗濯物に臭いがつくこと」などを考慮して、マンションによってはベランダでの喫煙が禁止されていることもある。臭いはどうしても広がっていくものなので、周囲への配慮が必要となる。
○5位「ゴミのポイ捨て」
故意なのかうっかりなのかはわからないが、「郵便ポストの周りにチラシが散乱している」(40代 女性)、「入居者と友人が出入口付近で座り込み飲食して、出たゴミを放置していた」(50代 男性)など、共有スペースにゴミを捨てたり残したりしてしまう住人も多いようだ。「飴のゴミを自転車のカゴに入れられる」など、嫌がらせ状態になっている人もいた。
ポイ捨てが多くなると、「他の住人がやっているから、自分もポイ捨てしていいや」など、住人のモラルが低下することも考えられる。すると、郵便ポストの周りにチラシが散乱するなど、マンション内がどんどん乱雑になってしまうと危惧される。
○6位「ゴミ出しルールを守らない」
「本来は有料で回収依頼すべき粗大ゴミを、ゴミ捨て場に放置」(40代 男性)「ゴミの出し方。回収日以外でも平気で出す人が多くて、掃除する管理人も困っている」(50代 女性)などの体験談が寄せられている。粗大ゴミが放置されていたり、回収されない種別のゴミが捨てられていたりすると、ゴミ集積所で使えるスペースが狭くなり、ルールを守って捨てたい人が、ゴミ集積所を使いにくくなってしまう。ルール違反のゴミが回収されないまま残ると見た目も悪く、中身によっては臭いが出て迷惑となる。
○7位「無断駐車する」
「お客様専用駐車場をまるで自分の駐車場みたいに使って、毎日車を無断駐車している」(30代 女性)、「非常階段出口の前にバイクが停められていて、出口を使用できない状態が続いている」(40代 女性)といったことがあるようだ。
マンションなど集合住宅では、駐車場も共有スペース。住人は各自駐車場を契約して、自分に割り当てられた区画を使えるようになっている。しかし人の契約しているスペースを勝手に使ったり、予約していないのに来客用スペースに我が物顔で停めてしまう住人もいるとわかった。また駐車場の通路を塞ぐなど、本来駐車すべきではない場所に駐車して、トラブルになる例もあるとわかる。
○共有スペースでのトラブルへの対応
マンションの共有スペースでトラブルに遭遇した際、どのように対応したかを聞いたところ、もっとも多かった回答は「管理担当に連絡(58.9%)」だった。具体的には「マンションの入居者サポート窓口に連絡し、掲示板に貼り紙をしていただいた」(20代 女性)、「直接やり取りするのは腹が立つし面倒になりやすいため、すべて記録したうえで管理会社に対応してもらった」(50代 男性)とのことだった。
2位「何もしなかった(22.2%)」も多くなっている。「なるべく関わらないことにしている。何かあったときに腕力では絶対勝てないし、戸数が少なく部屋や車を特定されて何かされても嫌だから、放置に限る」(30代 女性)、「何もしなかった。ただ他にも気になる人がいたようで、『子どもが集まって遊んだり、勉強したりすることは禁止』との貼り紙が掲示された」(40代 女性)、「しばらく我慢し、他の誰かが対応するのを待つ」(50代 男性)とのことだった。
以下、3位「直接注意した(6.3%)」、4位「住人組織に相談(3.7%)」、5位「警察に相談(3.0%)」が続く。
自分で直接注意する人は少数派で、マンション管理を担う人や組織に連絡する人が多くなった。気になりつつ何もしなかった人も多く、「住人同士のトラブルになるのは避けたい」という気持ちが伺える。
○共有スペースで守ってほしいルール・マナー
「マンションの共有スペースで守ってほしいルールやマナー」を聞いたところ、圧倒的1位は「騒音を出さない(38.9%)」だった。「楽しくてつい騒いでしまう気持ちはわかりますが、夜中まで騒ぐのは気をつけてほしいです。時間を見てほしいなと思います」(20代 女性)、「騒音。主婦の方々が通路やエントランスにおいて大声で長時間話し込むのは、考え直してほしい」(40代 女性)といった意見が寄せられている。
2位「共有スペースを汚さない(15.2%)」も多く、「共有スペースは共有の財産であることを認知してほしいです。子どもが騒ぐなどは気になりません。汚さず大切に使うことを、少しでも気にかけてもらえたらと思います」(50代 女性)との声が寄せられた。
他にも、「ゴミ出しのマナーを守ってほしい。あまりひどいと、ルールが厳しくなるので」(30代 女性)、「階段に荷物を置くのは、火事などが起きたときに邪魔なのでやめてほしい」(30代 男性)、「タバコは気になります。タバコが駐輪場に捨てられていることもあり、火事などの問題が起こりかねないのでやめてほしいです」(30代 女性)といった意見が見られた。
気になるマナーやルールはそれぞれでも、「他の人も使うことを念頭に置いてほしい」「みんなのスペースであり、自分の好き勝手に使っていいものではないとわかってほしい」という気持ちは共通しているようだ。(Yumi's life)