<アイスホッケー・コルティナ五輪最終予選G組:日本6−0ポーランド>◇8日◇第2日◇北海道苫小牧市・nepiaアイスアリーナ
アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が4大会連続5度目となる26年ミラノ・コルティナ五輪出場権を獲得した。全競技通じて日本勢第1号。ポーランドを6−0で下して勝ち点を6に伸ばし、G組1位を確定させた。第1ピリオド(P)にFW浮田留衣(28=ダイシン)の2得点など一挙6ゴール。チームが目標に掲げた「圧倒」を体現し、スローガンの「つながろう つなげよう」どおり、引き継がれた五輪のバトンをつなげた。
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五輪切符を手にしたスマイルジャパンに笑顔の輪が広がった。初五輪を目指す22歳FW輪島夢叶の目には涙があふれた。そんな姿に、主将のDF小池詩織らが笑って抱きしめた。全員で集合してスティックを頭上高く合わせ「ONE TEAM」のかけ声を出す、勝利後お決まりのルーティンも格別だ。会場は毎月代表合宿を行う地元リンク。小池は「普段から慣れた環境で五輪出場権獲得できたのは市民、関係者のみなさんの支援に感謝」と、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
全部で6度、得点後お決まりの集まっておじぎするパフォーマンスで喜んだ。7−1で快勝した6日の初戦フランス戦と各セット同じメンバー構成。開始5分54秒で先制すると、ゴールラッシュ。浮田は3点リードの15分32秒にFW志賀紅音のカウンターからのゴール含む2得点。「自分たちが目標にしているのは3戦全勝で圧倒的に勝つということ」。第2、3Pは無得点も、試合通じてシュート数49本対5本。五輪最終予選出場チームで最上位の世界ランク7位の力を見せつけ、同20位の相手を圧倒した。
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日本史上初の1次リーグ突破を果たし、準々決勝に進出して6位だった前回の北京五輪後、メンバーの顔ぶれががらりと変わった。3大会連続で主将を務めたFW大沢ちほら経験豊富な選手が次々と現役を引退した。今大会の代表メンバー23選手のうち、北京五輪代表は12人。半数が大舞台を経験していない。浮田はソチ五輪代表最年少だったが、上から4番目の年齢に。世代交代が進む。
4大会連続五輪出場を果たすため、SNSで話題のMBTI性格診断で性格を確認しあい、盛り上げ係やチームビルディング係などの係を設け、各自がチームのために取り組んだ。昨年12月のデンマーク遠征でスローガンを考える係から発案されて決めたフレーズは「つながろう つなげよう」。未来を託す子どもたちも読めるように、ひらがな。ソチ五輪からの出場を途絶えさせないことが日本女子アイスホッケー界の未来につながると信じている。アイデア係の提案で、開幕1週間前に地元の樽前神社に初めての必勝祈願を行い、チームとしての結束も高めて大会を迎えた。
主将のバトンを受け取り、自身4度目の五輪に臨む小池は「全員でメダルを目指していきたい」と誓う。今大会を締めくくる9日中国戦は、本番に向けたスタートの試合となる。【保坂果那】
◆一番乗り 全競技を通じて日本勢最初の冬季五輪出場権を、アイスホッケー女子が獲得した。世界ランキングで決まった大会も含めて14年ソチ五輪から4大会連続で同種目がゲット。アイスホッケーが出場できなかった10年バンクーバー大会はフィギュアスケートが第1号で、安藤美姫と織田信成の男女が内定した。
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