旅行は本来、日頃のストレスや疲れを癒すことが目的だろう。しかし、旅行中も仕事のことをつい考えてしまう人もいるようだ。
エミリスは「旅行先でも仕事が頭から離れない理由に関する意識調査」の結果を2月6日に発表した。調査は、仕事をしている500人を対象に2024年10月末から11月上旬にかけて行われた。
「旅行先でも仕事が頭から離れないことがある?」という問いに対し、最多回答は「たまにある」(51.2%)で、次いで「よくある」(33%)と続いた。全体の8割超が旅行中に仕事のことを考えているということになる。(文:長田コウ)
3割が「仕事の連絡が入りそう」と回答 「自分の仕事を終わらせていても電話がかかってくる」
「旅行先でも仕事が頭から離れない理由」としてトップにあがったのは「仕事の連絡が入りそう」(31.8%)だった。こう答えた人たちからはこんな声が。
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「取引先から緊急の連絡があるかもしれないから」(20代女性)
「自分の仕事を終わらせていても電話がかかってくる。『どう処理すればいい?』などの問い合わせが多いため」(40代男性)
仕事関連の連絡が来てしまっては、旅行気分から現実に引き戻されてしまうのも仕方ない。また、フリーランスの人からは「旅行中に連絡が取れないことで、ビジネスチャンスを逃しそう」というコメントもあった。
2位の回答は「未処理の仕事がある」(13.6%)だった。
「仕事をやり残したまま、キリの悪いところで旅行に出かけることになってしまったから」(30代女性)
「未処理の業務が残っていると頭から離れない」(50代以上男性)
仕事が中途半端だと、旅行が終わってからのことをついつい考えてしまう気持ちもよく分かる。次いで、3位にランクインしたのは、「ミスしていないか不安」(9.2%)という回答だ。こんなコメントがある。
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「心配性なため、旅行前の仕事で不備はなかったか心配になる」(20代女性)
「飲食関係で発注業務を担当していたときは、品切れや『注文数大丈夫だったかな』と気になりました」(40代女性)
責任の度合いによって不安の大きさも違ってくるだろう。4位以降は、「休み明けの仕事が不安」(8.6%)、「トラブル発生が心配」(8%)、「同僚の仕事ぶりが不安」(7.2%)、「同僚の負担が心配」(5.4%)という回答があがった。
「引き継ぎをして、安心して旅行できるようにします」入念な準備で不安を払拭する人も
「旅行先で仕事を忘れるためにしていること」と聞くと、最多回答は「仕事を完了させる」(27.2%)だった。回答者からはこんな声があがった。
「旅行前に急ぎの仕事をできるだけ終わらせるようにしている」(20代女性)
「仕事はなるべく溜めないよう、旅行前2週間くらいはがむしゃらに頑張る(40代女性)
仕事に区切りをつけてから旅行に来ることで気持ちにも余裕ができるのだろう。次いで2位にランクインしたのは、「周囲に引き継ぐ」(22%)だった。
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「自分が休みの日に働いてくれる同僚に、できる限り引き継ぎをして、疑問点を解消してもらうことで、安心して旅行できるようにします」(30代女性)
具体的な引き継ぎの工夫としては、「紙でも口頭でも伝える」、「複数人に伝える」、「共有フォルダ・ファイルをつくっておく」といったものが挙げられた。
3位の回答は「旅行を楽しむ」(16.8%)というものだ。
「目の前にある景色、食べ物を楽しむ」(30代女性)
「観光などをめいっぱい詰め込み、できるだけほかのことを考えないようにする」(40代女性)
あえて旅行先の予定を詰め込むことで仕事のことを考える暇をなくす作戦だ。ただ「旅行を楽しんでいても、結局会社から電話が入る」というコメントもあり、やはり十分な引き継ぎをするなど事前の準備が欠かせないようだ。
4位以降は、「スマホを見ない」(16.4%)、「連絡が取れない旨伝える」(9%)、「仕事の連絡は見ない」(7.4%)だった。仕事の連絡を強制的に遮断する人もいるようだ。
旅行の最中に仕事のことで頭を悩ませないためにも、仕事に区切りをつけておくことや同僚に丁寧な引き継ぎをする、といった工夫が大切だろう。