2025MotoGP:ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)とソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR) 2月9日、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスにカストロール・ホンダLCRとイデミツ・ホンダLCRとして参戦しているホンダLCRは、2025年シーズンにヨハン・ザルコとソムキャット・チャントラが使用するホンダRC213Vのカラーリングを発表した。
1996年、ルーチョ・チェッキネロによって設立されたLCRチームは、125ccクラス、250ccクラスを経て、2006年からホンダのマシンでMotoGPクラスに参戦している。
2023年は、カストロール・ホンダLCRにアレックス・リンス、イデミツ・ホンダLCRに中上貴晶を起用。ワークスチームと同様にマシンの競争力低下の影響が大きく、1度の優勝のみに留まった。
翌2024年には、ヤマハ、KTM、ドゥカティに加え、代役でホンダLCRからも出走したことがある経験豊富なザルコを中上のチームメイトに迎えた。ザルコが予選で上位グリッドを獲得する場面もあったものの、決勝でのホンダLCRはシーズンを通して下位で入賞を争うといった状況で最終的に未勝利で終えた。
シーズン中には、同年8月下旬に、2024年限りで中上がMotoGPクラスへのフル参戦終了が発表。それに伴い、後任にMoto2クラスで戦っていたチャントラの昇格が明かされ、タイ人初の最高峰クラスのフル参戦ライダーとして歴史に名を刻むこととなった。
チャントラは、2018年のタイGPでMoto3クラスにワイルドカード参戦でロードレース世界選手権デビューすると、翌2019年にはIDEMITSU Honda Team AsiaからMoto2クラスにフル参戦を開始。2023年に自己ベストとなるランキング6位を記録。さらなる活躍が期待されていた2024年は、リタイヤや負傷での欠場が多くランキング12位だったものの、MotoGPクラスに向けて準備を整えることができ、万全な状態でシーズンを終えた。
これまでと同様にカラーリングの異なる2台でMotoGPクラスを戦うホンダLCRは、タイのバンコクで体制発表会とファンイベントを開催したのち、2025年を戦うマシンのカラーリングを公開した。
ザルコが2024年から引き続きカストロールのカラーリングのマシンを駆り、チャントラがイデミツのカラーリングのマシンを中上から受け継ぐ。両マシンのともに大きな変更はないものの、チャントラのマシンにはタイ国旗のブルーがあしらわれている。
ルーキーのチャントラと昨年にワークスチームを上回る活躍を見せたザルコ、LCR創立から30年目という節目の2025年にふたりそれぞれがどのような走りを見せるのか注目したい。