前日の姉妹車の勝利に続き第4戦はアルガルベ・プロ・レーシングの20号車オレカ07・ギブソンが勝利を飾った 2月7日から9日にかけて、中東のドバイ・オートドロームでAsLMSアジアン・ル・マンシリーズの2024-2025シーズン第3戦・第4戦が行われ、アルガルベ・プロ・レーシング(APR)が走らせる2台オレカ07・ギブソンが土日の各レースを制した。
ミカエル・イェンセン、バレリオ・リニチェッラ、プジョーのワークスドライバーであるマルテ・ヤコブセンのトリオはAPRの25号車オレカをシェアし、長時間の赤旗中断を挟んだ土曜日の4時間レースで勝利。これで前戦セパンに続く2連勝を飾った。
レースはターン6で起きた8号車フェラーリ296 GT3(ドラゴン・レーシング)のクラッシュと、その後のバリアの修復作業によって1時間ほど停止したあとリスタートを迎える。事故発生時点でのトップは、スタートで2番手に上がり最初のピットストップ後にリードを奪った91号車オレカ(ピュア・レクシング)だった。
一度順位を落とした91号車だったが、LMP2クラスの全車にブロンズドライバーが搭乗した時間帯でとくにハリー・キングの好走が光り、ピュア・レクシングは後続に6秒のリードを築く。3時間目の終わりにフルコースイエローが入り、このタイミングでピットインした11号車オレカ(プロトン・コンペティション)が一時的にアドバンテージを得るが、このレースの主役は91号車とAPRの25号車だった。
ジュリアン・アンドラウアーはキングの後をうけて実質的なリードを引き継いだ。しかし、ポルシェのワークスドライバーは痛恨のスピンによって“貯金”を失ってしまう。労せずしてトップに追いついたヤコブセンの25号車は残り38分でリードを奪ってトップに浮上すると、そのまま順位を守りトップでチェッカーフラッグを受けた。
一方の91号車は9号車メルセデスAMG GT3エボ(ゲットスピード)との接触でペナルティを受け、最終的に8位でのフィニッシュに。ピュア・レクシングの後退で3番手につけていた3号車オレカ(DKRエンジニアリング)が2位を獲得。表彰台の最後の一段はAPRの20号車オレカの手にわたっている。
LMP3クラスは26号車リジェJS P320・ニッサン(ブレトン・レーシング)が8.047秒差で35号車リジェ(アルティメット)を下し、シーズン初優勝をマークした。GTクラスはさらに僅差での決着となり、92号車ポルシェ911 GT3 R(マンタイEMA)を3.212秒上回った96号車メルセデスAMG GT3エボ(2シーズ・モータースポーツ)がクラスウイナーに。木村武史組57号車フェラーリ296 GT3(カーガイ)は、前戦の接触によるペナルティもあり最後尾からのスタートで追い上げるも11位。ポイントを加算することができなかった。
明けた日曜のレースはセーフティカーが3度入る波乱の展開となるなか、終盤にさらなるドラマが待っていた。ポールポジション獲得した22号車オレカ(プロトン・コンペティション)はトム・ディルマンのドライブで終盤戦をリードし、このままポール・トゥ・ウインを達成するかに思われた。
しかし残り4分となったところでプロトンを悪夢が襲う。ディルマンが勝利目前にしてGTカーと接触し、ターン12でスピンを喫したのだ。これにより2番手につけていたクリトン・レンドウディス/オリー・コールドウェル/アレックス・クイン組20号車オレカが逆転優勝。APRはチームとして3連勝を飾っている。
トップから6.5秒遅れて30号車オレカ(RDリミテッド)が2位でフィニッシュ。3位には83号車オレカ(AFコルセ)が入り、プロトンの22号車オレカが4位。5位に土曜のウイナーである25号車オレカ(アルガルベ・プロ・レーシング)が続く結果となった。
15号車リジェJS P320・ニッサン(RLR Mスポーツ)は、26号車リジェを退けLMP3クラスでシーズン初優勝をマーク。GTクラスでは99号車ポルシェ911 GT3 R(ハーバース・モータースポーツ)が、2.479秒差で81号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング)に競り勝った。89号車アストンマーティン・バンテージGT3エボが3位に入ったため、同クラスは3メーカーのマシンが表彰台を分け合うこととなった。なお、木村組の57号車フェラーリは前日と同じくクラス11位でレースを終えている。
第3戦で勝利したAPR25号車のイェンセン/リニチェッラ/ヤコブセン組が、開幕戦のウイナーでランキング2位につけているRDリミテッド30号車のフレッド・プアダッド/トリスタン・ボーティエ/ジェームス・アレン組を3ポイントリードして迎える第5戦と最終戦の週末ダブルヘッダーは、今週末2月15〜16日にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催される予定だ。