北陸 17日〜強烈寒波 10年に一度の大雪が今月2度目 JPCZの強雪に厳重警戒

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2025年02月12日 14:05  日本気象協会

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日本気象協会

北陸 17日〜強烈寒波 10年に一度の大雪が今月2度目 JPCZの強雪に厳重警戒

モノトーンに薄紅。富山県高岡市では一部で早咲きの梅がほころんできましたが、17日頃からの北陸地方は、再び「10年に一度の低温や大雪」となる可能性が高まってきました。17日頃から予想される寒気のレベルや期間は、前回の立春大寒波に匹敵するおそれがあり、市街地でも多くの積雪が残る中、体調管理に十分注意しながら新たなる寒波襲来に備えて下さい。



●「10年に一度の低温や大雪」 1か月以内に同じ地域で2度も


気象庁は、北陸地方を対象に、「低温と大雪に関する早期天候情報(北陸地方)」を発表しています。17日頃からは寒気の影響を受けやすくなるため、気温は低い日が多く、かなり低くなる可能性があります。また、冬型の気圧配置が強まるため、降雪量がかなり多くなる可能性があるとしています。

この情報は、この時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい低温や降雪量となる可能性が、いつもより高まっている時に、事前に注意喚起のために発表される情報です。


●年明けからの気温や降雪の状況 極端な天気が続く可能性


グラフは、北陸4県の各気象台及び相川、高田、伏木、輪島、敦賀などの観測値の平年差(比)を計算し、これらを平均した値を示しており、青い棒グラフは5日毎の降雪量平年比、緑色の折れ線は5日毎の平均気温平年差をあらわしています。

1月20日は二十四節気の大寒、暦の上では1年で最も寒い時期にさしかかりますが、1月19日〜24日頃にかけて、平均気温は平年よりかなり高く、さくら(ソメイヨシノ)が開花する頃の陽気となった所もありました。この間、降雪量平年比は0%の日が続きました。

その後2月3日、二十四節気の立春には、北陸地方で今シーズン全国で一番早い「春一番」が吹きました。暦の上では冬は徐々に終わりを告げる時期になりますが、その後は、文字通りの立春大寒波襲来となり、各地で大雪による影響が長引きました。降雪のピークは2月4日〜8日にかけてとなり、7日の新潟県と石川県には「顕著な大雪に関する気象情報」も発表され、降雪量平年比は青色の棒グラフで示すように550%にも達しました。

再び、先日の立春大寒波に匹敵するような寒気レベルや期間になりそうな寒波が襲来する可能性が高まっています。再び大雪による影響が長引く可能性がありますので、今後の情報に十分注意して下さい。


●2度目の大寒波襲来 平地でも記録的大雪に厳重警戒


再び、平地でも大雪や暴風、猛ふぶきとなることもありそうです。大雪による車の立ち往生、交通のダイヤの乱れや運休、道路の通行止めとなる可能性があります。視界不良や道路の積雪・凍結による車の事故、歩行者の転倒、水の凍結による断水や水道管の破裂、暴風や積雪・着雪による倒木、農業施設(ビニールハウスなど)などの倒壊、暴風や着雪による停電などに備えて下さい。


●寒波の原因は? 影響する期間は?


要因は一つだけに限らず、複数の事象が組み合わされて起こると考えられます。

一つは、「ラニーニャ現象」です。これが発生すると、西太平洋熱帯域(インドネシア付近)の海面水温は高くなり、対流活動が活発になります。するとその影響が中緯度まで伝わり、日本付近では偏西風が南に蛇行して北からの寒気の影響を受けやすくなります。最新のエルニーニョ監視速報(2月10日)によると、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、ラニーニャ現象に近い状態となっているとのことで、その影響は考えられます。

もう一つは、「北極振動」です。負の北極振動が強化されると、北極域の寒気が中緯度に流れ出し、寒波が起こりやすくなります。その結果として、日本付近にも影響が及ぶことがあるのです。

立春大寒波は、太平洋の北部付近で高気圧が発達し、日本付近では偏西風が大きく南に蛇行した状態が長引きました。その結果、日本付近は寒気だまりに閉じ込められ、寒気の影響が長引く大寒波となりました。17日頃から予想される寒波も、影響が長引いてしまう可能性があり、最新の情報を確認し備えを進めてください。



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  • 10年に一度の大雪が今月2度目・・・その10年に一度の基準がもう基準じゃないことに気がつかん?
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