アドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1) 2025年WRC第2戦ラリー・スウェーデン 2月15日(土)、北欧スウェーデンにて2025年WRC世界ラリー選手権の第2戦『ラリー・スウェーデン』のデイ3としてスペシャルステージ9から15の走行が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。TGR-WRTのレギュラーである日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合2番手で大会3日目を終えた。
そんなデイ3を終えた各陣営より、ドライバーたちのコメントが届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合9番手
「フロントは轍に留めておけたのだが、リヤはいつも緩んだ部分に入り込んでしまい、ラインはかなり悪かった。ただ、そんななかでも自分のドライビングにはかなり満足しているよ。リヤは大きく滑ったが、コーナーの立ち上がりはバランスが取れてうまくいったと思っている」(SS12)
「グリップが少なく、高速でドライブしているときは大変だ。雪壁にも何度かぶつかったよ。出走順のせいもあって、僕たちにできることはあまりないんだ。リヤのグリップがなく、さらに雪で緩くなってしまう」(SS13)
「トリッキーな午後だった。ラリー・スウェーデンでの僕たちのベストループだったよ。出走順の影響もあって、何かすることはできなかったし、むしろ僕たちのドライビングも変えていったんだ。僕は昨日、どこで数秒を稼ぐのかわからないと言ったけれど、エンジニアたちと作業したことでポジティブな点もいくつか見いだせた気がする」(SS15)
●ジョシュ・マッカーリーン(#55 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合8番手
「グリップはかなり良いときがあるが、表面には緩い雪がある。ブレーキングの判断が重要なので、かなり微妙なバランスだ」(SS9)
「ここでは、それほど悪くはなかった。ただ、2速でなだらかなコーナーを走っていて、交差点でエンストしてしまった。グリップの変化と限界に大いに関係しているはずだ」(SS14)
「世界のトップクラスの選手たちと戦えるのは素晴らしい。大きなステップアップになったし、今年は自分たちに力があることがわかってよかった。モンテカルロは、パフォーマンスの面では苦戦したが、スウェーデンでの2度目の走行で良いペースを見せることができているはずだ」(SS15)
●マルティン・セスクス(#22 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合6番手
「今日のステージは昨日とはまったく違う。昨日は本当に良い感触が得られたが、これらのステージは場所によってはとても速くて、限界に近いペースを維持するのにまだ苦戦している。道が広くなったり狭くなったり、雪が降ったりと、わからないことも多い」(SS11)
「今日は本当にトリッキーだ。場所によってはグリップがあるけれど、ブレーキング中は『ヒューーー!』というような感じになってしまう。それでも、サミ(・パヤリ)と本当に素晴らしい戦いをしている。ジュニアWRCの思い出がよみがえるね」(SS13)
「最初は感触が良かったが、轍に入ると止まらない。交差点で一度停まって後退しなければならなかったんだ。雪壁はドライブするにもバックするにも狭すぎるね。努力はしたけど、少なくとも5秒遅れたと思う」(SS14)
●ジョルダン・セルデリディス(#9 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合36番手
「ステージはとても素晴らしく、かなり難易度が高い。雪が少し残っているが、僕たちは除雪しているようなものなので、きれいなステージになって後続は大幅に改善されるだろうね」(SS9)
「ヘアピンでエンストしそうになったよ。コンディションが安定していなかったので、最初の走行と比べてグリップがかなり高いときもあるし、他の部分では轍もたくさんある。簡単ではないよ」(SS12)
「素晴らしいステージだったが、最初の走行よりもグリップが弱かった。グリップは安定しているはずと思ったのだが、そうではなかった。ここもかなりトリッキーだよ」(SS14)
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#1 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合3番手
「今日の目標はトップに近づくことだったが、ついにそれを達成できた。自分たちのパフォーマンスには満足しているよ」
「少しずつスピードを上げることができた。まだ少し苦戦した区間もあったが、全体的には正しい方向に進んでいると思うし、何をすべきかがわかってきた」
「明日は追加ポイントを獲得できるチャンスがあるから、このような接戦では全員が全開で挑むことになるだろう。明日はすべてがうまくいくように祈るとしよう。そのうちどうなるかわかる」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合4番手
「今朝はシャシーの面で感触が良く、最初のステージはポジティブだった。ただ、その後にスピードが落ちることもあったんだ」
「それ以降の時間は、できる限りのことを最大限に活用しなければならなかった。いくつかのステージは悪く、他は良かったりする。だがそれが現状だ」
「今日の午後のペースを考えると、明日の優勝争いはあまり期待できないと思う。路面が凍っているときは、新しいタイヤは安定し、タイヤの摩耗もそれほどひどくならないと思うのだが、戦えるかどうかは明日のコンディション次第だね」
●アドリアン・フルモー(#16 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合43番手
「今日は明らかに僕の日ではなかった。SS11ではヘルメットを締めるために止まらなければならず、20秒以上もロスしてしまったんだ」(編注:マーシャルの安全確認が不足したままにスタートが切られたため)
「そして午後には、とても柔らかい雪にスタックしてしまった。ある時点でフロントの足が取られ、60mくらいは雪壁に沿って走ったんだ。そして、マシンのアウト側が雪壁のなかに入って、その後にフロント部分がそこに押し込まれた」
「そこで僕たちは、すっかり新雪に閉じ込められてしまった。雪はとても深くて、観客もいなかった。難しい1日だったが、明日に向けてふたたび集中し、チャンピオンシップで可能な限りポイントを獲得できるようにしたい」
■TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合首位
「全体的にはかなり良い一日だった。接戦が続き、ほぼ全員がどこかの時点で浮き沈みを経験しただろう」
「僕は最後の2本のステージで小さなミスを犯し、かなり大きな代償を払うことになった。タイム差が非常にタイトな状況では、ミスを犯す余地はほとんどない」
「最後から2本目のステージではコーナリングラインを少しだけ外し、最後のステージではブレーキング中にリアが滑ったことでロックして、エンジンがストールしてしまった。明日は、このようなミスを避けなければならない。すべてを賭けて挑むので、きっとエキサイティングな一日になる」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合5番手
「昨日よりもずっと良い一日になった。昨晩セットアップに多くの時間を費やしたことで、道幅が狭くテクニカルだった今朝最初のステージでは、とても良いフィーリングで走ることができた」
「走りやすくペースも悪くなかったと思うが、ステージの道幅が広くなり、コーナーがロングでハイスピードなると、もう少し精度を高める必要がある」
「明日は、この週末に学んだことをすべてまとめて、できるだけ多くのポイントを獲得できるように頑張りたいね」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合2番手
「チャレンジングではありましたが、とても良い一日だったと思います。今朝はクルマのフィーリングに完全には満足することができず、午後はコンディションに少し苦戦しました」
「オーバーシュートをしてリバースを余儀なくされましたが、その後はなんとかタイムを挽回することができたと思います。前後の選手たちとのタイム差は大きくありませんが、この順位を守ることができていることを嬉しく思います」
「明日は面白くなりそうですが、自分としてはこの週末ずっと続けてきた仕事をやり続け、その上でどうなるか様子を見たいと思います」
■TGR-WRT2
●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合7番手
「今日はとても充実した一日になった。とくに午前中は本当に素晴らしく、楽しんで走ることができたよ」
「かなりマージンを残していると感じたステージもあれば、改善の余地があると実感したステージもあって、それでもタイムは悪くなかった」
「午後の再走ステージは、コンディションがトリッキーになったことで少し苦労したけれど、全体的には、異なるコンディションで多くのことを学んだよ。クリーンで良い一日になったし、明日につながる良い点もたくさんあったはずだ」