船越英一郎、2時間ドラマ「守っていきたい」「日本が世界に誇れる文化の一つ」 考察ブームにも言及

0

2025年02月19日 07:00  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

船越英一郎 (C)BS日テレ
 俳優の船越英一郎が主演を務めるBS日テレの新作2時間ドラマ「令和サスペンス劇場『弁護士 六角心平 京都殺人事件簿』」が、3月29日午後7時から放送される。近年、地上波では2時間ドラマ枠が少なくなっているなかで、サスペンスドラマで長らく活躍してきた船越の待望の“新作”となる。この新作放送を前に、船越がインタビューに応じ、「2時間サスペンス」への思いや昨今SNS等でよく見られる「考察」ブームについて語った。<インタビュー全2回の前編>

【写真】ひげ姿も渋くてカッコイイ…「令和サスペンス劇場」に主演する船越英一郎 

――2025年は「昭和100年」にあたります。テレビも時代によって人気のコンテンツが移り変わるわけですが、「昭和」にみんなが見ていた「2時間サスペンス」が減少傾向にあることについてどうお考えですか。

【船越】僕がこの仕事を始めた頃に『火曜サスペンス劇場』(日本テレビ系)が始まりましたので、「2時間サスペンス」とともに歩み、「2時間サスペンス」に育てられて今日まで来ました。いま、各局から2時間ドラマ枠が次々と姿を消しており、僕を育ててくれた場所がなくなっていくようで寂しいです。

 2時間ドラマは日本が世界に誇れる文化の一つだと思っていて、映画と同じような尺で1話完結の話を、お茶の間の皆さんで観ていただけるこの環境をなんとか守っていきたいなと思っているんですけどね…。

 あの頃は、今みたいにパーソナルにテレビを楽しむというより、家族のだんらんの場にテレビがあって、コミュニケーションツールとして機能していたいい時代でしたね。今は、家族で視聴方法がそれぞれ違うかもしれませんが、観終わった後、みんなでドラマの感想を共有してもらえるとうれしいです。

――船越さんがおっしゃるように、視聴形態の変化によりSNSで「考察」しながらテレビを見る人たちも増えています。この現象について感じていることがあれば教えてください。

【船越】数年前から「考察ブーム」が始まりましたが、昔から視聴者は「犯人は誰なのか?」と考えながら観ていたワケです。「考察」ではなく「推理」という呼び方でしたね。推理ドラマや推理小説には、主人公が推理するという意味もありますが、読者が、あるいは視聴者や観客が推理しながら、ということでもあります。それが考察と置き換えられたんだなと思います。このドラマも、サスペンスと銘打っている以上は、皆さんに犯人捜しをしていただきながら楽しんでもらいたいですね。

――犯人や結末を聞かないで撮影に挑むという俳優さんもいらっしゃるようですが、サスペンスドラマと、サスペンス要素のないドラマでは、心構えが変わったりするのでしょうか。

【船越】変わりますね。視聴者参加型の作品にしていかなきゃいけないと思っているので、皆さんに感情移入していただきつつ犯人も考察してもらい、ドラマも楽しんでほしいです。
途中で、「あれ?自分が思っていた展開と違ってきたぞ」というミスリードを散りばめたり、布石を打ったりしていかなきゃいけない。ほかにも、さまざまな仕掛け作りが必要ですし、サスペンスは人間関係も含めて物語が複雑になっていきますから、その辺りを分かりやすく観ていただけるような工夫も必要ですよね。だから、我々、演じ手を含めた作り手が、普通のドラマを作る時よりもサスペンスを楽しんでいただく方法論みたいなものを加味して作っていくことが求められると思います。そこに、いかにリアリティを持たせていくのかということを、サスペンスドラマを演じる上で俳優も工夫しなきゃいけないと考えています。

――2時間ドラマで日本全国いろいろなところに行かれたと思いますが、印象に残っている場所やエピソードがあればお聞かせください。

【船越】やっぱり京都ですね。京都を舞台にしたサスペンスドラマは、情緒があって本当にいいんですよ。京都の街そのものが登場人物の気持ちを映してくれますし、歴史や建造物、街の佇まい、あるいは「京都の言葉」が日本人の琴線にふれる。僕は京都で生まれても育ってもいないのに懐かしいと思えるし、京都に来ると「日本っていいな」と思う。そんな京都と物語が共存した時、化学反応が起きていいドラマが生まれると思っています。

    ニュース設定