GTDプロクラス優勝を果たした65号車フォード・マスタングGT3のドライバーたち。左からフレデリック・バービシュ、デニス・オルセン、クリストファー・ミース 2025年IMSA開幕戦デイトナ24時間 フォード・マルチマチック・モータースポーツのフレデリック・バービシュは、3月13〜15日に開催される『第73回モービル1セブリング12時間レース』での新たな挑戦を予想しており、彼はマスタングGT3による連勝のチャンスは「非常に厳しい」と認めた。
■セブリングは強みが活かせない
バービシュ、クリストファー・ミース、デニス・オルセンは、1月末に行われた『デイトナ24時間レース』で、マスタングGT3にとって初のメジャーレース制覇となる歴史的勝利を収めた後、今週土曜日に決勝レースが行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のシーズン第2ラウンドに臨む。
それはGTDプロの栄誉をめぐる熾烈な戦いの中での勝利であり、今週末もフロリダの飛行場跡地のサーキットで続くと予想されている。
「デイトナで優勝できたことを、チームメイトもチームもみんな嬉しく思っている」とバービシュは語った。「デイトナは人間とマシンにとってもっとも過酷なレースではないと思うが、勝ちたいレースだ。シリーズのカレンダー上でもっとも権威あるレースだからね」
「僕たちは今年それを成し遂げた。正直に言って予想はしていなかったよ。それなりのスピードはあったが、レースの最後に最速だったとは思わない。デニスはそれでもやり遂げた。チームは素晴らしい戦略と素晴らしいドライビングを持っていた。信じられないことだったと思うよ」
「しかし、いまでは非常に現実的だ。セブリングは僕たちにとって非常に厳しい戦いになるだろう。けれど僕らはチャンピオンシップをリードしている。他のチームがアタックしてくるとしても、我々は自分たちのやるべきことをやり、それが今の状況を維持するのに充分なものであることを願っている」
Sportscar365から、セブリングがチームにとってより厳しい挑戦になる要因は何かと尋ねられたとき、バービシュは、高速のデイトナ・ローバルと比較して全長3.7マイル(約5.954km)のバンピーなトラックの特性が主な要因であると示唆した。
「もっと言えば、僕たちのクルマの強みを分析するとデイトナではストレートでは明らかに強かったが、コーナーが連続する第1セクターではかなり苦戦していた」と彼は語った。「そこがまだ我々の課題だ」
「今度は年間でもっとも最高速度が低く、コーナーの多いトラックに行く。だから僕たちはクルマの強みをあまり活かせないと思う」
「数週間前に2日間のテストを行ったが、これはまだやるべきことがあることを示している。もっと良くなると確信している。それでも我々にとっては難しいレースになるだろう」
週末の見通しはやや悲観的だが、チームメイトのミースとともに今季2025年がウェザーテック選手権での初のフルタイムキャンペーンとなっているベルギー人ドライバーは、GTDプロのタイトル獲得を目指すチームの課題を理解している。
「マスタングGT3のグローバルプログラムでは、今年ついにレースで優勝できたことで、素晴らしい一歩を踏み出したと思う」とバービシュは語った。
「これはプロジェクトに携わるすべての人にとって、そしてチーム自体にとっても非常に重要なことだ。マルチマチックは大きな一歩を踏み出した。彼らは非常に多くの新しい、非常に有能な人材を雇用し、彼らがデイトナでの勝利のカギを握っていたことは明らかだった」
「だからシーズン全体が楽しみなんだ」
「以前、他のドライバーから聞いたように(IMSAでは)一貫性が重要だと考えている。僕たちはそれに焦点を当て、できる限りのことをして問題を回避するように努めるつもりだ」
[オートスポーツweb 2025年03月13日]