『ルックバック』(C)藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会 「第48回 日本アカデミー賞」授賞式が14日、東京・グランドプリンスホテル新高輪にて開催され、最優秀アニメーション作品賞を『ルックバック』が受賞した。プレゼンターを務めたのは、昨年同賞を受賞した『君たちはどう生きるか』の宮崎駿(※崎=たつさき)監督の代役のスタジオジブリの西岡純一氏。『ルックバック』の制作に入る直前まで『君たちはどう生きるか』の制作に参加していた押山清高監督は「この賞をスタジオジブリさんからいただけたことが感慨深い」と喜びもひとしおだった。
【写真】石原さとみはふっくらお腹で登場!豪華俳優陣がレッドカーペットに 『ルックバック』は、藤本タツキ氏の読み切り漫画を原作とする、58分の中編。学年新聞で4コマ漫画を連載する小学生の藤野と不登校の同級生・京本は、漫画へのひたむきな思いによってつながるが、ある日、すべてを打ち砕く事件が起こる。
押山監督自身が半数以上のカットを手掛け、8人の凄腕アニメーターのみで作画した作品ながら、口コミで好評が広まり、封切り時の119館から拡大公開されて、興行収入20.4億円の大ヒットを記録した。
授賞式には、押山監督のほか、アニメーターの井上俊之氏、声優を務めた河合優実が登壇。押山監督は「栄誉ある賞をありがとうございます。井上さんをはじめ、本当に優秀なアニメーターの皆さんに心から敬意を表します。アニメーションという表現は、技術によって支えられており、それなくして映画を作ることはできません。この作品に携わってくれたスタッフはもちろんですが、日本のアニメーション業界を支えてくださっている多くのアニメーターやスタッフの皆さんのおかげで、こうして作品を生み出すことができました」と感謝。
さらに、「今回、この賞をスタジオジブリさんからいただけたことも、私にとって非常に特別なことです。7年前、私は宮崎駿監督のもとで『君たちはどう生きるか』の原画スタッフとして参加していました。その現場を離れる際、宮崎監督に『これから自分たちの映画作りに向かいます』とお別れのあいさつをしたことを思い出します。そして今、7年後にこうしてジブリから賞をいただくことになり、感慨深い気持ちでいっぱいです」と話していた。
河合は「声を演じる前に、アニメーションが送られてきた時から本当に素晴らしい作品で心奪われて、世界の皆さんに届くことをワクワクして待っていたので、きょうのような日を迎えられることをすごくうれしく思うと同時に、やっぱりこうなったか、という気持ちもあって。私にとって『ルックバック』にかかわれたことを誇りに思っていますし、皆さんに敬意を表したいと思います」と祝福の言葉を送っていた。