《“完璧なゆで卵の作り方”を見つけた》という、一風変わった研究が2月6日、イギリスの科学誌で発表された。
行ったのは、イタリア・ナポリ大学などの研究チーム。さまざまなゆで方のなかから、白身と黄身の絶妙な固まり具合、さらに栄養価をもっとも引き出すという“完璧なゆで卵”とは――。
作り方は、30度と100度、2種類のお湯を用意し、卵を2分間ずつ交互にそれぞれのお湯に入れる。これを8回繰り返し、計32分かけてゆでるというもの。わざわざ2つの温度のお湯を用意するのは、黄身と白身では固まる温度が異なるため。黄身は65度で固まり始め、70度で完全に固まる。いっぽう白身は60度で固まり始め、80度で完全に固まる。おなじみの温泉卵は、白身が固まらないよう、お湯の温度を70度ほどにしてゆでられている。
完璧なゆで卵は、黄身と白身がちょうど固形になり始めた仕上がり。黄身にも白身にもしっとり加減を残しながら、液状ではなく、黄身の色味が鮮やかだ。また研究によると、この方法で作ったゆで卵は、細胞の若返りに働くポリフェノールの値を高くすることにつながるという。
本誌記者もこの方法でゆで卵を作ってみた。2分ずつ8回、合計16回、卵を移し替えるという手間はかかるものの、できあがったゆで卵は白身が軟らかくプルプルになり、黄身はジューシーさを保ちつつほどよく固まっていた。ゆでたてを食べると、舌触りがよく、味わいも深くなるように感じた。
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この“完璧なゆで卵”について、『にこたま肝臓ダイエット』(Gakken)の著書がある、肝臓クリニック札幌院長の川西輝明先生はこう話す。
「日ごろから患者さんに卵を積極的に食べるように勧めていますが、ポリフェノールが増すというのは健康効果の面でうれしいですね」
卵はビタミンCと食物繊維以外のあらゆる栄養を含んでいる。
「卵は効率よく良質なタンパク質がしっかりと取れるため、筋肉量の減少を防ぎ健康寿命の増進につながります。また、卵に含まれるコレステロールは肌や髪の健康にも欠かせません。女性にとってうれしい食材ともいえます」(川西先生、以下同)
卵は若さと健康を保つ、いわば“不老長寿”に役立つ超優秀食材ともいえるのだ。いっぽう、コレステロール値を気にする声もあるが、川西先生はそのような心配はないと話す。
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「健康な人であれば、卵を食べて血中コレステロール値が上がることはありません。私は毎食2個の卵を炭水化物と置き換えることを推奨していますが、そうすることで、自然と筋肉がついて脂肪が減るといううれしい効果があります。
私自身、卵をしっかり食べるようになって以来、体重が25キロ減り、肝臓の数値などが劇的に改善し、前より元気になりました」
イタリアから届いた、卵をおいしく、最高の栄養状態でいただくための作り方。ひと手間かけて作る価値は十分にありそうだ。毎日のプルプルゆで卵で、若さと健康を保とう!
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