Modulo Nakajima Racingが住友ゴム工業本社を訪問。タイヤの進化に中嶋悟監督「かなり期待」

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2025年03月17日 18:20  AUTOSPORT web

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神戸市の住友ゴム工業を訪れたModulo Nakajima Racing。スーパーGT岡山公式テストを終えたばかりのModulo CIVIC TYPE R-GTも展示された
 3月17日、スーパーGT GT500クラスでダンロップタイヤを装着するModulo Nakajima Racingが、兵庫県神戸市の住友ゴム工業本社を訪問。2025年シーズンの開幕が近づくなか、同社の従業員に向けたトークショーが行われた。

 住友ゴム工業ではこれまで、宮崎工場、名古屋工場、白河工場といった生産拠点にModulo Nakajima Racingを招き、各拠点の従業員に向けたトークショーやGT500車両の展示を中心としたイベントを開催し、社内のモータースポーツ機運を高める取り組みを行なってきた。

 ただ、神戸にある本社でのイベント開催はこれまでなく、神戸でもModulo Nakajima Racingの訪問&イベントの実現を願う熱烈な声も少なくはなかったという。

 そんななか、岡山国際サーキットで行われたスーパーGT公式テスト翌日の3月17日にModulo Nakajima Racingの神戸本社訪問が実現した。

 2日間のテストを終えたばかりのModulo CIVIC TYPE R-GTが展示されたほか、住友ゴム工業本社に隣接するタイヤ開発・試験の中心拠点『タイヤテクニカルセンター』において中嶋悟監督、ドライバーの伊沢拓也、大草りきが登壇したトークショーが行われた。

 中嶋監督は前日まで行われた岡山公式テストについて「あまりにも寒かったですね」と振り返る。

「我々も想定外の天候だったこともあり、みぞれ混じり雨が降った際の走りはあまり元気がありませんでしたね。ただ、ドライの方は好調で着々と進んでいるという感じです。とはいえ4月の開幕戦(編注:岡山国際サーキットで開催)ではここまで寒くはならないだろうと思いながら見ていました(笑)」

「(寒さの影響は)みんな一緒だとは思いますが、やはりチャレンジャーの我々としては、できる限りレース想定に近いコンディションでテストをやりたかったという心残りは少しあります」

 2日間でそれぞれ午前と午後の計4セッションが行われた岡山公式テストだったが、初日午後のセッション2では幸い終盤に雨が止んだ。各車がドライタイヤを投入しアタックシミュレーションに臨む状況となったが、そんななかでModulo CIVIC TYPE R-GTは大草のドライブで4番手タイムを記録している。

「2024年シーズンも上向きになっていました。ただ、悪天候で第7戦オートポリスの公式練習がなくなったり、いろいろと本番に向けて少しうまくいきませんでしたが、それでも内容的にはかなり良くなっていました。それを繋げて2025年を迎えて、セパン、岡山(メーカーテスト)、富士(メーカーテスト)、岡山(公式テスト)と4回走って、大体トップ6あたりにいます」と、中嶋監督。

「本番想定の距離までは走れてないのでタイヤの保ちというところでは少しの不安はありますが、僕としてはかなり期待の一年になると思っています。次の富士公式テストも、どのセッションでもいい位置にいたいですね」

 また、2025年は参戦する全車両のモノコックが新品に入れ替わるタイミングとなり、Modulo CIVIC TYPE R-GTも新たなモノコックへと変わっている。その影響もあってか伊沢は「すごくクルマのフィーリングが良くなった」と話した。

「クルマが良くなるとタイヤの良いところもすごく出てきて、セパンのテストから信じられないくらい調子がいいです。ライバルメーカーも『今年のダンロップはどうしたの?』というほど調子がいいので、それを結果に繋げたいと思っています」

 そしてGT500参戦2年目を迎える大草は、今年のダンロップタイヤの手応えを聞かれ「昨年よりも僕らが選べる手札が増え、さらにその手札にある1枚1枚のレベルが上がった感じです」と話す。

「あれも良いし、これも良いしと、いい意味で悩める時間が去年よりも明らかに増えたと思います。それだけに選ぶための判断は難しくなりますが、その分すごく成長を感じています」

 トークショー終了後には屋外駐車場に展示されたModulo CIVIC TYPE R-GTのコックピット乗車体験が行われ、抽選で選ばれた10名が体験。そのほかにも、最新のGT500車両を一目見ようとお昼時には大勢の従業員が詰めかけた。

 なお、やはりダンロップタイヤを手がける住友ゴム工業ということもあり、かがみ込んで足回りやタイヤハウス周辺を観察する姿も少なくはなかった。

 依然としてGT500クラスではModulo CIVIC TYPE R-GTの1台のみとなり孤軍奮闘が続くダンロップ。昨今は人材増強やシミュレーションを使ったバーチャル技術を活用するなどの変革に取り組み、その好影響が波及し今年のオフのテストでは好調ぶりを見せている。ダンロップにとってGT500クラスでの久しぶりの勝利は、そう遠くない日に訪れるかもしれない。

[オートスポーツweb 2025年03月17日]

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