“新幹線のファーストクラス” 東海道新幹線に半個室座席 導入へ、JR東海の狙いとは【Nスタ解説】

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2025年03月19日 21:56  TBS NEWS DIG

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TBS NEWS DIG

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JR東海は東海道新幹線のグリーン車に半個室タイプの座席を導入することを発表しました。まるで“新幹線のファーストクラス”のような座席になるようです。

【写真を見る】まるで“新幹線のファーストクラス”のような座席

東海道新幹線に「半個室席」 上級クラス座席導入へ

良原安美キャスター:
JR東海の東海道新幹線に上級クラスの座席が導入されることが発表されました。

半個室タイプで、全6席となっています。レッグレスト付きのリクライニングシートで、通路と座席の間に鍵付きの扉が付いています。座席は回るので、ペアで楽しむこともできるそうです。

サービス開始時期は2027年度中を予定しています。サービス内容や価格などは決まり次第、発表されるということです。

ホラン千秋キャスター:
1つの空間に3つ席があるということですよね?

良原キャスター:
そういうことです。

上級クラスの座席を既に導入している新幹線もあります。

JR東日本では2011年から、東北・北海道新幹線、北陸新幹線、上越新幹線などで「グランクラス」という座席が導入されています。1車両に18席だけ、専任のアテンダントが軽食などをおもてなししてくれます。(飲料・軽食なしの場合は異なる)

北陸新幹線の場合、東京駅−金沢駅間の一人当たりの片道料金(乗車券+特急券+特別料金)は2万5040円〜となっています。普通の指定席だと約1万4000円ほどなので、プラス1万円ほどでグランクラスに乗れます。

なぜ新幹線に半個室導入?JR東海の狙いとは…

良原キャスター:
既にこういった上級クラスの座席がある中で、なぜJR東海はこの段階になるまで上級クラスの座席を用意していなかったのか、そのワケを見ていきます。

元新幹線運転士のNスタ・福岡大司プロデューサーによりますと、「東海道新幹線はビジネス利用の乗客が多く、一度に多くの乗客を運ぶことに注力してきた」ということです。

16両編成で1319席も座席がありますが、出張ビジネスで使う乗客が52.3%と半分以上を占めています。

今回、東海道新幹線はこだわっていた「座席数」を減らしてグリーン車20席分、39万1800円分(東京→新大阪の場合)の席数を上級クラス6座席にするということで、かなり贅沢な座席の使い方をすることになったわけです。

ホランキャスター:
そうなると、高そうだなという予想をしてしまいます。

良原キャスター:
単純計算で1席6万円くらいの価値がありますが、福岡プロデューサーの予想では「そんなに高くならないのではないか。2万円〜3万円くらいではないか」と話していました。

井上貴博キャスター:
ある程度、高い値段に設定をして、それに見合う人に乗ってもらい収益力を上げるというのはいい考え方だと思います。時間をお金で買うというビジネスの人も一定数いると思うので。

弁護士 萩谷麻衣子さん:
飛行機の場合、普通のクラスとビジネスクラス・ファーストクラスではすごい(金額)差がありますよね。

ですが、グランクラスなどの場合、贅沢だけど普通の座席とそんなに変わらず、頑張れば払えるという値段なのですごくいいと思います。

ビジネスでも、疲れて寝ながら帰りたいときに「人から寝顔を見られたくない」というときは良いと思います。

良原キャスター:
なぜ、一度に多くの乗客を運ぶことに注力してきた東海道新幹線がハイクラスを導入したのか。

JR東海の丹羽俊介社長は19日、「生活様式や働き方の変化により、多様性のニーズに応えるべく、上級クラス座席の発表を決定した」と話していました。

3万円の座席!?映画館にも上級クラス座席

良原キャスター:
新幹線の他にも、色々と贅沢な体験をしたいというニーズが高まっているといいます。

経済評論家の加谷珪一さんに伺うと、「プチ贅沢のニーズが増えている。かつては多くの企業が中間層をターゲットにしていたが、近年は節約志向の人とプチ贅沢したい人、二極化する需要に対応している」ということでした。

例えば、花火大会の有料席やテーマパークの有料パスなどが例としてあります。

他にも調べてみますと、映画館でプチ贅沢が楽しめるというサービスがありました。通常の鑑賞料金にプラス1000円〜3000円程で、シートがゆったりなったり、ラウンジが利用可能になったりします。

一つの例として、「新宿ピカデリー」にはこんな贅沢な「プレミアムシート」があります。

プラチナシートという座席は、1人5000円となっています。また、プラチナルームというものもあり、個室のソファーで映画が見れます。こちらは2人で3万円となっています。

「背中がバキバキにならない!」高速バスにもハイクラス

良原キャスター:
そして今、高速バスもハイクラスになっています。

例えば、「背中がバキバキにならない高速バス」をバス比較なびの藤田さんに伺いました。

▼関東バス/奈良交通 「ドリームスリーパー」
NASAの理論を取り入れた“ゼログラビティシート”になっています。
東京−大阪間 1万8000円〜(※時期によって変動)

▼海部観光 「マイ・フローラ」
“包まれる感覚”ゆりかごのようなシートになっています。
東京−徳島間 1万6200円〜(※時期によって変動)

▼WILLER EXPRESS 「リボーン」
仕切りがあり、プライベート空間となっています。
リクライニングは最大156度まで可能です。
東京−大阪間 9600円〜(※時期によって変動)

少し高いですが、ホテルのような感覚で使えるということでしょうか。

井上キャスター:
今までは、値段設定などが同じということがありましたが、選択肢が増えると、それだけ需要も増えますよね。

あとは期間によって値段設定を変えるということも最近は増えてきたので、いい流れだなと思います。

萩谷麻衣子さん:
あとはインバウンドが増えたというのも、こういうことに影響してるのかなという感じがしますね。

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<プロフィール>
萩谷麻衣子さん
弁護士
結婚・遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当

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