女優大島美優(15)がNHK連続テレビ小説「おむすび」(月〜土曜午前8時)に、再登場し注目されている。1度目の登場とは別の役を演じており、”一人二役”出演となる。役替わり出演で刺激を受けたことや、演じることの喜び、今後の夢などを語った。
大島は前半、主人公結の姉歩の親友、真紀を演じ、3月17日放送回から、真紀に似た少女の詩として出演している。
「出演を聞いてすごくびっくりしましたし、(1度目の)出演後は、『おむすび』をいっぱい見ていたので、大好きな作品にまた出られることがうれしかったです。最初は、もう1回真紀として出るのかと思いました。思い出とか幽霊とか? なのかなと思ったら、別の役と聞いてもっとびっくりしました」
真紀と詩、見た目は似ているが、キャラクターはまったく違う。性格の違いから出るしぐさなど、細かい部分は自分で考えて演じた。
「詩はちょっと心を閉ざしている部分がある子なので、うつむいていることが多いんです。でも、心が悲しいだけじゃなくて、ちょっとすねているというか、いろんなことがもう嫌だと思っているところがある子なので、真下じゃなくて、ちょっと斜め下にうつむくことを意識しました。演じ分けてみて、やっぱりお芝居、めちゃくちゃ楽しいなって思いました。あらためて、お芝居を続けていきたいと強く思いました」
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初めての朝ドラの現場は楽しくて仕方なかった様子。
「とにかく皆さんがすごく明るくて、いろんな方とお話しできましたし、たくさんコミュニケーションを取って、役との向き合い方が皆さん全然違っていて勉強になりました」
事務所の先輩、仲里依紗はお仕事あるあるの話をしてくれたり、ヒロイン橋本環奈も温かく接してくれたという。
「橋本環奈さんはすごく話しかけてくださいました。優しくておもしろくて、テレビで見るそのまんまの方が目の前にいる感じで、すごく不思議な感じでした。本当にフレンドリーで、好きな食べ物の話もしてくださったりして」
人前で初めて芝居をしたのは、幼稚園のお遊戯会だったという。「アラジンと魔法のランプ」の空飛ぶじゅうたんを演じた。手を大きく広げ、じゅうたんが飛ぶ様子を全身で表現した。
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「先生がすごく褒めてくださったんです。それがうれしくて。人の前に立つのも楽しかったです」
今では、レッスンの時に役に入りこんでしまうことという。
「もう、大島美優としての記憶がなくなっちゃうんですよ。役としての記憶は残るんですけど自分としての意識は全然残ってない。そんな瞬間が快感ですし、役に入っちゃったなあって思います」
4月からは高校生になる。演じる役の幅も広がっていく。やりたい作品、役が次々に出てくる。
「青春キラキラみたいな作品とか、学園ものをやってみたいですね。それとは正反対に、社会問題を抱えている作品や、皆さんにメッセージを届けられるような役もやってみたいです。平安とか鎌倉とか室町とか、生きてる時代がまったく違う役もやってみたい! 朝ドラももちろん目標の1つです。やってみたいです!」
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本や映画に背中を押されてきたこれまでを明かし、自分を重ねた。
「映画やドラマが終わった後、その役の子がどうなったかはお届けすることはできないですけど、私が演じた役が誰かの心の中に残ってもらえるようなお芝居ができたらと思っています。私自身、本や映画の登場人物がすごく心に残っていることが多くて、迷った時にあの作品のあの子だったらどうかなとか考えたり、あれに出てたあの子だったら私の決断を応援してくれかなって考えたり。励まされて、支えられてきたので、私もそういう存在になれるものを演じられたらなと思います」
新年度の目標を聞くと「受験期は、本を読む時間や映画を見る時間を少し制限していたので、自由な時間が増えたらもっといろんな作品を読んだり見たりしたいです。高校生になっていろんな役ができるようになると思うので、これからもお芝居うまくなりたいなと思います!」
◆大島美優(おおしま・みゆ)2009年(平21)年11月19日生まれ。埼玉県出身。「ちゃおガール2018☆オーディション」準グランプリ受賞。22年、TBS系日曜劇場「マイファミリー」で主人公の娘を演じる。趣味は映画鑑賞、読書。
脚本の根本ノンジさん 「おむすび」は、米田結というヒロインだけでなく、米田家の人々、中でも姉の歩との姉妹の物語でもあります。その姉妹に、幼いころ、渡辺真紀という女性が重要な影響を与えました。作品の最後を締めくくるため、もう1度、真紀の存在を描きたいと思いました。そこで作品のテーマの1つ「誰かのために自分ができることは何か?」を姉妹に問うために、詩という真紀によく似た女性を登場させることになりました。真紀をもう1度描きたいと思った一番の理由は、大島美優さんに演じていただいたからです。大島さんの温かみのある真紀の演技は、私だけでなく、多くの人の心に残ったと思います。大島さんが、真紀によく似ているけれど別人を演じたらどんな化学変化が起こるのだろう。そんな思いでシナリオを書きました。
制作統括の宇佐川隆史さん 詩という存在が誕生した背景に、大島さんに演じていただいた「真紀ちゃん」の存在が大きくあったことは間違いないです。詩は、人生に不安と希望を抱えた未来そのもの。その未来に対して、米田家はどんな選択をするのか。その選択を描くにあたり、どんな人が一番いいかと考えて思い浮かんだのが、大島さんの存在でした。物語を通して、大島さんが演じる真紀は、大きな位置を占めるようになっていたからです。「ほんの少しでもいいから、歩と真紀がふれあっているかのような世界線を最後に見てほしい」、そう思い、詩を大島さんにお願いしました。
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