電卓ってまだ使う人いるの? 60周年迎えるカシオの事業展望 「着火ライター付電卓」など歴代端末はた目に語る

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2025年03月20日 13:21  ITmedia NEWS

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 カシオ計算機の電卓事業が3月20日で60周年を迎えた。同社は記念イベントとして、電卓事業の今後の方針について報道向け説明会を12日に開催。スマートフォンなど、電卓に代わるICTデバイスが世にあふれる中、電卓事業で思い描くこの先の展望などを語った。


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 同社の2024年3月期(23年4月1日〜24年3月31日)の売上高は2688億円。そのうち、電卓事業を含んでいる教育事業の売上高は618億円で構成比の約23%を占めた。同期間中、電卓の出荷台数は約4200万台となり、国内電卓シェアの約60%を占め、展開国は100カ国以上となった。


 同社の電卓事業は「関数電卓」とそれ以外の「一般電卓」の2カテゴリーで構成している。海外では中等教育で関数電卓を使う場合が多く、同製品は主に海外展開に注力しているが、一般電卓は国内でも需要が存在するという。一方、どちらの電卓も販売数量の年間推移は徐々に下がりつつある。


 同社の教育事業部門である「教育関数BU」の佐藤智昭事業部長は「関数電卓はもうほとんど学生の方に使っていただいている状況。一部エンジニアの人にも使ってもらっているが、多くの人はやはりPCで済ませている。一方、詳しいユーザー属性は話せないが、一般電卓には学生以外にも多くの利用者がいる」と現状を語る。


 同社では今後、教育現場により合ったツールの提供を目指すなど、教育事業に力を注ぐ方針を示している。各電卓の商品戦略では、関数電卓には「『最高のUI/UX』を極める」、電卓には「『情緒的価値』を極める」などを提示。これをもとに1月には、デザインにこだわったという電卓「Comfy」を発表しており、ユーザー目線や環境への配慮など品質を意識した商品展開をしていくという。


 「多くのお客さまの手元にはPCやタブレットがある。そこで使えるようなサービスを電卓で培った資産を使い、ハードウェアとソフトウェアの両軸で考え、実現していきたい」(佐藤事業部長)


●“着火ライター付電卓”って何? 60年間で歴代端末たち


 電卓事業を60年間手掛ける中、さまざまな製品を世に送り出してきたカシオ。説明会では歴代端末の展示も行われた。中でも現場で注目を浴びたのは、1965年にカシオが初めて発売した電卓「001」は、世界初のメモリ機能を搭載した端末だ。7桁の数字を記憶可能で、寸法は37×25×53(cm)、重さ16.5kg、価格は38万円だった。


 その後、72年には大幅な小型化に成功した端末「カシオミニ」を発表。10カ月で100万台を売り上げる大ヒットとなり、電卓の歴史を大きく変えた1台とも呼ばれている。なお同年には、カシオ初の関数電卓「fx-1」も発売した。


 カシオはその後もさまざまな電卓の開発に取り組んだ。83年には、クレジットカードサイズの世界最薄カード型電卓「SL-800」、85年にはグラフが描ける関数電卓「fx-7000G」、04年には教科書通りに分数などを表示できる数学自然表示機能を搭載した「fx-82ES」などだ。


 中には、実験的な試みを取り入れた端末もある。78年に発売した「OL-10」は着火ライター付の電卓。佐藤事業部長は「ライターも電卓を持って……となるとポケットがいっぱいになってしまう。『じゃあ電卓にライターを付けてしまえばいいのでは』という発想がきっかけだった」と開発経緯を話す。なお、どのくらい売れたかは「分からない」とのこと。


 他にも「端末が透ければ下に置いたものも見えて便利なのでは」という発想から開発した透明な電卓や、野球やボクシング、パチンコなどのゲーム付端末などのユニークな製品も過去に発売してきた。


 同社は今後、電卓事業60周年を記念した施策を展開する予定。記念Webサイトを公開し、25日からはこれまで開発した約40モデルの特別展示を開催し、電卓と顧客の接点を増やしていく考えだ。



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  • 今使ってる関数電卓はカシオですけど、22年も使ってる相棒です。
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