鎌田大地(15番)が勝利を呼び込む先制弾 [写真]=金田慎平 FIFAワールドカップ26アジア最終予選・グループC第7節が20日に行われ、日本代表とバーレーン代表が対戦した。
昨年9月から最終予選の戦いをスタートさせた日本代表は、ここまで“順調”という言葉では表しきれないほどのペースで勝ち点を積み重ねてきた。初陣となった中国代表の7−0を皮切りに、バーレーン代表を5−0で下し、“鬼門”とされていたアウェイでのサウジアラビア代表戦も2−0で勝利。オーストラリア代表とのホームゲームを1−1のドローで終えたことで、連勝は「3」でストップしたが、アウェイ連戦となった11月シリーズではインドネシア代表に4−0、中国代表に3−1と勝利し、再び連勝街道に乗った。
ここまで5勝1分無敗、22得点2失点と圧倒的な強さを見せつけ、2位のオーストラリア代表に勝ち点差「9」を付けて首位を独走中。今節を白星で飾れば、他会場の結果に関わらず、グループCの戦いを2位以内で終えることが決まる。つまり、8大会連続8回目のワールドカップ出場を、日本代表史上最速、そして世界一番乗りで決めることができる。
そんな重要なゲームで相対するのは、ここまで1勝3分2敗の成績で勝ち点「6」を積み上げ、現在5位につけるバーレーン代表。前述のとおり、両者は今最終予選の第2節で対戦しており、当時は上田綺世と守田英正の2得点、そして小川航基のゴールにより、日本代表が5−0と圧勝していた。過去の対戦成績は10勝2敗と日本代表が大きく勝ち越しており、最後に敗れたのは2009年1月のAFCアジアカップ2011カタール予選まで遡る。
だが、2位以下が混戦状態となっているグループCの戦いを勝ち抜くため、バーレーン代表も安易と勝ち点「3」を明け渡すつもりはない。前節終了時点で2位につけるオーストラリア代表との勝ち点差はわずかに「1」で、残り4試合での逆転突破も十分に狙える立ち位置だ。ドラガン・タライッチ監督は「自分たちは勝つために来ています」と意気込むなど、日本代表に今予選初黒星をつけさせる構えだ。
試合前には日本代表のスターティングメンバーが発表され、森保一監督はお馴染みの「3−4−2−1」の布陣をチョイス。ゴールマウスを託されたのはGK鈴木彩艶で、最終ラインにはDF瀬古歩夢、DF板倉滉、そして負傷による長期離脱を乗り越えたDF伊藤洋輝が並ぶ。中盤ではキャプテンのMF遠藤航とMF守田英正がコンビを組み、ウイングバックは右にMF堂安律、左にMF三笘薫。2シャドーはMF久保建英とMF南野拓実で、最前線にはケガから戻ってきたFW上田綺世が入った。
そんな試合は、立ち上がりはバーレーン代表がボールを握る時間を作ったものの、8分には日本代表がシンプルな攻撃でゴールへ迫る。右サイドの大外でボールを収めた久保が、一度マイナスへ繋ぐと、ボックス内で遠藤からのリターンパスを引き出す。ゴール前で左足を振ったものの、ここは相手の素早い寄せに阻まれる。
だが、このプレーで右コーナーキックを獲得すると、キッカーを務めた久保はファーサイドめがけたボールを供給。板倉が頭で折り返すと、ゴール前で混戦が生まれ、最後は遠藤が押し込んだ。日本代表が幸先良く先制に成功したかと思われたが、OFR(オンフィールドレビュー)の結果、板倉からの折り返しが上田の腕に当たっていたことが確認。ハンドとみなされ、得点は認められない。
前半をうまく進めたのはバーレーン代表で、日本代表の立ち位置の変化をうまく落とし込み、「4−4−2」の形でのブロックが基本ながら「5−3−2」で構える場面も。攻撃面では日本代表の最終ラインの手前でボールを収まる回数が多いが、そこからボックス内で攻略するようなシーンは見られず、決して派手ではない様相のまま時計の針が進む。
日本代表としては攻めあぐねる時間が長かったが、前半アディショナルタイムには1つチャンスを構築。敵陣中央左寄りの位置で板倉からのパスを受けた守田が前を向き、スルーパスを送ると、抜け出した三笘がボックス左のスペースへ侵入。角度のないところから左足を振ったが、シュートは枠を捉えきれない。前半はこのままスコアレスで終了した。
後半に入ると、ケガから戻ってきたばかりの守田に代わって田中碧をピッチへ送り出す。ただし、後半に入っても試合の様相は大きく変わらず、日本代表はボールは握る時間こそ作れど、なかなかバーレーン代表の守備ブロックを動かすことができず、バイタルエリアでは良い形でボールを持つことができない。
停滞感を打ち破りたい日本代表は62分、堂安と南野に代えて伊東純也と鎌田大地を投入。するとこの鎌田が大仕事をやってのける。66分、ピッチ中央付近で伊藤からの斜めのパスを引き出した上田が、うまく反転して背後のスペースへスルーパスを送ると、抜け出した久保は相手を引きつけて中央へ流し入れる。追い越す動きを見せた鎌田がダイレクトでゴールネットを揺らし、遂に日本代表が均衡を破った。
先制後はバーレーン代表にシュートまで持ち込まれる場面もあったものの、日本代表は引いて構えるような構えは見せない。76分には中村敬斗、86分には町野修斗を投入するなど、攻撃的な選手の交代カードを切り、敵陣で過ごす時間も長い。
終盤の85分には久保がボックス左から、利き足とは異なる右足でシュートを狙ったものの、ここはGKに弾き出される。それでも、今日の久保はこのままでは終わらない。左コーナーキックのキッカーを務めた久保は、ショートコーナーを選択。伊東からの折り返しをボックス左で受けると、今度は左足でニアサイドを撃ち抜き、勝利を決定的なものとした。
試合はこのままタイムアップ。苦戦を強いられながらも勝利した日本代表が、8大会連続8回目のワールドカップ出場を決めた。
なお、3試合を残して本大会出場を決めるのは、日本代表史上最速の記録。加えて、現時点でFIFAワールドカップ26に出場する48チームは、開催国枠のアメリカ合衆国代表、カナダ代表、メキシコ代表の3チームしか決まっておらず、予選を勝ち抜いた上での出場チームとしては“一番乗り”で出場権を勝ち獲った。
次節は25日に行われ、日本代表はホームでサウジアラビア代表と、バーレーン代表は敵地でインドネシア代表と、それぞれ対戦する。
【スコア】
日本代表 2−0 バーレーン代表
【得点者】
1−0 66分 鎌田大地(日本代表)
2−0 87分 久保建英(日本代表)
【スターティングメンバー】
日本代表(3−4−2−1)
GK:鈴木彩艶
DF:瀬古歩夢、板倉滉、伊藤洋輝
MF:堂安律(62分 伊東純也)、遠藤航、守田英正(46分 田中碧)、三笘薫(76分 中村敬斗)、久保建英、南野拓実(62分 鎌田大地)
FW:上田綺世(86分 町野修斗)
【ゴール動画】途中出場の鎌田大地&獅子奮迅の久保建英が勝利を呼び込む!
ついに均衡破った🇯🇵
完璧な中央突破でこじ開けた‼️
鎌田大地がW杯出場を手繰り寄せる一撃🙌🙌
🏆AFCアジア最終予選
🆚日本×バーレーン
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圧巻の久保建英‼️
大一番で輝く日本の至宝🇯🇵
得意の左足でニアをぶち抜いた
先制アシストに続いてこのゴラッソ💥
🏆AFCアジア最終予選
🆚日本×バーレーン
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