屋外で使える防雨仕様のスマートWi-Fiプラグ「MSS620」を試す 完成度は高く、スケジュール設定なども便利

0

2025年03月21日 12:21  ITmedia PC USER

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia PC USER

Merossの「MSS620」を屋外コンセントに装着したところ。実売価格は3480円だ

 Merossの「MSS620」は、屋外での利用を想定したIP44に対応する防雨仕様のスマートプラグだ。宅内にいながらにして、本製品に接続したライトなどの電化製品を、スマートフォンやスマートスピーカー経由でオン/オフできるだけでなく、「HomeKit」「Alexa」「Google アシスタント」との連携にも対応する。実機を購入したので試用レポートをお届けしよう。


【その他の画像】


●二股に分かれた防雨仕様のスマートプラグ


 一般的なスマートプラグは、宅内のコンセントに直挿しをすることを前提としており、防水など屋外利用のための機能は搭載していない。ボディーの外観についても、どの製品もほとんど同じだ。


 本製品は、二股に分かれた延長ケーブルのような外観を採用しており、小雨がかかる屋外での利用を前提に、IP44準拠の防雨加工が施されているのが特徴だ。家電製品のプラグを差し込む先端部にはシーリング処理が施されており、雨などからプラグを守ってくれる。ちなみに最大出力は1500Wとなっている。


 電源のオン/オフはスマホアプリ経由に加え、本体に付属する物理スイッチでの操作にも対応している。これはスマホアプリが使えないか、あるいは製品の設置場所に足を直接運んで操作するためのものだ。ちなみに、本製品はインターネットへの接続ができない場合も、アプリからWi-Fi経由でコントロール可能な設計になっている。


 発売元は、屋内用のスマートプラグで有名なMerossだ。同社は屋外向けのスマートプラグを複数用意しているが、日本国内で買えるのは二股に分岐した2P仕様の本製品のみとなる。ちなみに海外向けの製品は、見た目は電源タップに似た、本体に複数の口を備えたラインアップで、なおかつ口は3P仕様となっている。


●HomeKit/Alexa/Google アシスタントと組み合わせて利用可能


 セットアップについては、Apple標準の「ホーム」アプリを用いる方法と、同社の専用スマホアプリを使う方法の2通りがある。今回試したところ、後者の場合も製品名を選択した時点でHomeKitの画面へ飛ばされ、そのままセットアップを進める羽目になった。


 ただし、この場合はセットアップ完了後も専用アプリには本製品のアイコンが表示されないままとなる。


 そこで、再度専用アプリでセットアップのフローに入ると認識済みの本製品の型番が表示されており、これをタップすることで専用アプリ上で本製品のアイコンが追加され、加えてAlexaやGoogle Homeアプリからも認識された。HomeKitでのセットアップをスキップして、専用スマホアプリ上でだけ認識させる方法は見つけられなかった。


 これらが正しい手順なのか、筆者環境でうまく認識できていないだけなのかは不明だが、HomeKitが不要であれば、いったんHomeKit上で認識させた後に、削除するのがよいのかもしれない。


 なお、どのツール(HomeKit/Alexa/Google アシスタント)でも、本製品は1つのデバイスと2つのスイッチという3つのアイコンで表示される。これらはそれぞれ別々の名称を設定できるので、接続した電化製品の名前を付けておけばアプリ上でも分かりやすくなる他、音声で呼び掛けて操作が行えるようになる。


 ともあれ、1個口か2個口かという違いはあるものの、アプリ上での扱いや操作方法などは、一般的な屋内向けスマートプラグと大きな違いはない。HomeKit/Alexa/Google アシスタントと組み合わせて、スマートスピーカーから利用できるのも同様だ。


●スケジュール設定などの自動運転が便利


 防雨処理が施された本製品は、屋外用コンセントにつなぐことによって屋外で利用できる。自宅や事務所などにおける具体的な用途を考えてみよう。


 真っ先に思い付くのは、装飾用のLEDイルミネーションライトだ。クリスマスなどに自宅の装飾として、LEDライトが多数ついたイルミネーションを巻きつけて点灯させる光景はあちこちで見られる。本製品があれば、それらのコントロールを宅内にいながら行える。タイマー機能を利用した自動オン/オフも可能だ。


 同様に、自宅の玄関や庭先などに設置するライトの取り付け先としても使える。一般的にこういった後付けのライトはソーラータイプが多いが、本製品を使えば屋外コンセントから電源を取る形でライトを設置できる。日の出日の入りに合わせて自動的に消灯/点灯させるというのは現実的なプランだろう。


 そして、屋外用カメラはどうだろうか。これらは常時通電している製品なので通常の使い方であれば本製品の出番はないが、しょっちゅうアプリから認識されなくなり再起動が必要になるカメラでは、本製品を間に挟むことで、任意のタイミングでの再起動が可能になる。接続方法次第ではあるものの、意外とあり得る用途ではないだろうか。


 法人ユースでは、店頭にあるサイネージを店内から操作する用途にも使える。アプリのタイマー機能を利用すれば、営業時間になるとオンにし、閉店時にオフにするという自動運転も可能だろう。店頭の照明やサイネージのコントロールには、極めて適した製品といえる。


 他にはキャンプ用途や、屋外でのイベントにおける電化製品の利用などでは、リモートでの操作にどれだけの必然性を見出せるかがポイントになるだろう。ちなみに本製品の紹介ページではこれら以外に、スプリンクラーや噴水と組み合わせて自動散水するなどの使い方が紹介されている。


●スマートプラグとして高い完成度 ただし保護等級には注意


 以上のように、防水性を除けば取り立てて特徴はないが、スマートプラグとしてはきちんとこなれた、完成度の高い製品だ。必ず屋外で使わなくてはいけないわけではないので、二股に分岐するこの形状が気に入ったのであれば、屋内で使っても構わない。仮固定用のフックが搭載されているのを魅力的に感じる人がいるかもしれない。


 なお言うまでもないが、本製品があれば、あらゆる電化製品が屋外で使えるようになるわけではなく、接続する電化製品も屋外用に防水加工が施されていることが前提となる。またIP44ということで、あらゆる方向からの水流に耐えうるIP65ほどの保護性能はなく、大雨など過酷な環境での利用には対応しない。利用にあたっては、その点はきちんと理解しておきたいところだ。


連載アラート



    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定