新チャンピオンは今季も古豪ウェスト・サリー・レーシング(WSR)とのジョイント参戦チーム、レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・エムビー・モータースポーツからエントリー 昨季のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権にて、自身初のドライバーズチャンピオンに輝いたジェイク・ヒルが、新たに“1”のゼッケンを掲げる『BMW 330i Mスポーツ』を披露。同じくタイトル候補として参戦するヒョンデ陣営のエクセラーエイト・モータースポーツや、シリーズ復帰を果たすホンダ陣営ワン・モータースポーツなども続々と2025年の新体制を固めている。
改めてタイトル防衛を期す2025年仕様の愛機を初公開した新チャンピオンは、今季も古豪ウェスト・サリー・レーシング(WSR)とのジョイント参戦チーム、レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・エムビー・モータースポーツからエントリーし、馴染みのあるホワイトとブルーのカラーリングをまとった後輪駆動NGTC規定ツーリングカーを操る。
そのヒルを見い出し、英国最高峰のBTCCでチャンピオンにまで育て上げたマネジメント担当兼スポーティングディレクターのマーク・ブランデルは「2025年仕様の外観には大変満足しているし、BTCCファンの間で話題を集めることを期待している」と新シーズンへの意気込みを語った。
「レーザー・ツールズはBTCC参戦以降もつねにクロームブルーが代名詞であり、今季のトラックではこれが他のクルマより目立つことは間違いないね」と続けた元F1ドライバー。
「2025年は、復帰したパートナーや新規パートナー、そしてジェイク(・ヒル)とチームがタイトル防衛に挑むことで、これまでで最大のシーズンになることが期待される。我々をサポートし続けてくれる皆に感謝し、デザインチームがふたたびこのような印象的なスキームを実現し、プログラムを成功させるために一生懸命働いていることも誇りに思っている」
同じく昨季最終戦終了後にもエントリー名の刷新をアナウンスしていたエクセラーエイトは、この3月中旬に改めてバーミンガムシティ・フットボールクラブ財団と共同で開催した特別イベントにて、新生『チーム・ヴェルツ』のカラースキームをお披露目した。
エースの2022年王者トム・イングラムと、WTCC世界ツーリングカー選手権経験者トム・チルトンの“トム・ペア”が残留した『ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス』の2台は、クラブ女子チームとさまざまなアカデミーチームのトレーニング拠点であるワストヒルズのピッチ上で公開された。
「カラーリングの公開は、オフシーズンでもっともエキサイティングな瞬間のひとつだ。初めての色のクルマを見ると、すべてがよりリアルに感じられるからね。とくに見た目が素晴らしいときは尚更だよ」と、その仕上がりに満足げなイングラム。
「チーム・ヴェルツとして新しいシーズンを迎えるにあたり、このヴェルツの小学校カップで競技する子供たちに新カラーリングを初披露できたのは素晴らしい試みだった。子供たちがラウンチに興奮しているのを見るのは最高で、この経験が今季の成功を助け、応援してくれる新しいファンが生まれればいいね」
さらに活動休止の1年間を経てBTCCに復帰することを表明しているワン・モータースポーツは、シリーズに再投入する『FK8型ホンダ・シビック・タイプR』の心臓部に、いわゆる“TOCA共通エンジン”と呼ばれるM-Sport製ユニットを搭載することを正式にアナウンスし、すでにチーム復帰が決まっているジョシュ・クックの僚友にステファン・ジェリーの起用を発表した。
ブラックリーを拠点とし、この1年間はBTCCへの参戦を休止しながらNGTC規定車両のアップデートを続けてきたチームは、2022年以来となるM-Sport製の“TOCA BTCCエンジン”の納入を受けた。
「重要な区切りとなる今季に、こうしてM-Sportと協力できることを楽しみにしている。熟成が進んだTOCA BTCCエンジンと、オリジナルのホンダ製シャシーに施した改良により、今季の成功の可能性が高まったと感じている」と語ったのは、チームオーナーであるスティーブ・ダッドマン。
その発表と前後して、当のTOCA BTCCエンジンは潤滑油ブランドのリキモリUKとの提携を発表し、2025年仕様ユニットの製造とメンテナンスをサポートするべく同社製品を供給する契約を締結するとともに、パートナーとしてカムカバーに“LIQUI MOLY”のロゴが掲げられる。
そのワン・モータースポーツへの移籍加入を決めた42歳のジェリーは、かつてチーム・パーカー・レーシングやマキシマム・モータースポーツでフォード・フォーカスをドライブした後、2021年から2023年にかけて古豪WSRでBMWをドライブ。BTCCでは250回以上のスタートと通算4勝をマークしてきた。
「こうしてBTCCに戻り、ホンダ陣営の一員になれて素晴らしい気分だ。正直に言うと、チャンピオンシップにまた挑戦できるとは思っておらず、復帰できたこと自体が勝利だ。本当にワクワクするチャンスだよ」と、昨季はポルシェ・カレラ・カップGBに挑戦していたジェリー。
「昨年のチーム参戦休止により、舞台裏で状況がどうなっているのかが分からなかったが、ジョシュ(・クック)が紹介を手伝ってくれた後、素晴らしいメンバーたちが多くの作業を行っており、チームが大々的に復活に向け準備万端であることがすぐに分かったよ」
そして昨季2024年のインディペンデント部門チャンピオンながら、このオフ期間にメインパートナー離脱で参戦継続が危ぶまれる事態となったパワー・マックス・レーシング(PMR)は、ここへ来てモーターパーツ・ダイレクトとのタイトルスポンサー契約を締結。チームは現時点で1台のエントリーを予定している。
その困難な期間に、昨季チームに所属したアーロン-テイラー・スミスが離脱し、トヨタ陣営のスピードワークス・モータースポーツ(SWM)に移籍してTOYOTA GAZOO Racingのメンバー入りを表明。一方で26歳のマイキー・ドーブルはPMRとの契約を延長し、3年連続で『ヴォクスホール・アストラBTCC』のステアリングを握ることを決めた。
「3年連続でBTCCに参戦できることをうれしく思うよ。このチャンピオンシップでの素晴らしい2年間をさらに上回るつもりさ」と、昨季はJack Sears Trophy(ジャック・シアーズ・トロフィー/新人賞に相当)を獲得し、インディペンデント部門でランク2位、オールトンパークでは総合での表彰台も射止めるなどブレイクを果たしたドーブル。
「これまでのところ、予選でポールポジションを獲得し、総合表彰台に上がり、もちろん昨季のジャック・シアーズ・トロフィー獲得など、BTCCで達成しようとしていたことをすべて達成した」
「今季はより頻繁に表彰台に挑み、インディペンデント部門の王者を獲り、最終的にはレースで総合優勝することで、ステータスを次のレベルに引き上げたいと考えている。それを達成しなければ、僕の目には成功とは映らないだろうね!」
[オートスポーツweb 2025年03月21日]