「クローズアップ現代」の放送100年特別番組に出演する桑子真帆キャスター(左から2人目)と長野智子さん(同3人目)ら(NHK提供) 日本で初めて放送が始まり、22日で100年。1925年3月22日、NHKの前身である社団法人東京放送局がラジオ放送を開始した。背景には、23年に起きた関東大震災で流言飛語が飛び交ったことの反省から、正確で信頼できる情報を伝えるメディアが必要とされたことがあったとされる。
稲葉延雄NHK会長は「『本当のことを知りたい』という人々の気持ちは、より一層強まっているのではないか。積み重ねてきた豊富な経験や知見を生かし、次の100年も国民の期待に全力でお応えしていきたい」との談話を発表した。
NHKは、53年に始まったテレビも含む「放送100年」の関連番組を連日放送している。22日も、人々の印象に残った番組などを紹介する「放送100年 時代を超えて 3世代が選ぶ あの番組」(NHK総合、午後7時30分)を生放送。24日の「クローズアップ現代」(同、午後7時30分)は特別番組として、あさま山荘事件や松本サリン事件などを当時の番組映像や関係者への追加取材で振り返り、元民放アナウンサーの長野智子さんらがこれからの放送の在り方を語り合う。
「クローズアップ現代」の桑子真帆キャスターは放送に先立って取材に応じ、「どの情報を捉え、何を信じればいいのか分からない時代。(100年続いた)歴史を続けていけるように、これからも求められるメディアでありたい」と話した。

NHK「クローズアップ現代」の放送100年特別番組の収録後、取材に応じた桑子真帆キャスター=20日、東京・渋谷のNHK放送センター