写真 デザイナーの中村英が手掛けるブランド「エイ ナカムラ(Ei Nakamura)」が2025年秋冬シーズンでデビューした。デビューコレクションとともに、中村がブランドのものづくりと並行して取り組んでいる“イマーシブ試着体験”システムのデモンストレーションを体験できる展示会を、3月22日と23日の2日間開催している。
中村はSONYでリサーチャーとして勤める傍らファッションスクール「ここのがっこう(coconogacco)」でファッションを学び、同校とユナイテッドアローズの上級顧問を務める栗野宏文氏とのコラボレーションプロジェクトでは、栗野氏が選定した生徒6人のうちの1人としてコラボアイテムを発売。SONY退職を機に、ブランドを立ち上げた。
ブランドコンセプトは「記憶の世界を旅する装い」。見たことがないのに覚えているという感覚“Unseen yet remembered”を表現することを目指し、現実への深いリサーチにSF的なエッセンスを加えた世界観を展開している。
ファーストコレクションのテーマは「Blue Island」。重力や鉱石、地層などへのリサーチを通して思い描いた記憶の中の島で探索を行う収集者の装いを表現した。石の水脈を刺繍で表現した“結晶を拾い集めるためのバッグ”(4万1800円)や、ムートンの廃材を使用した水瓶を模したファーバッグ(5万8300円)、裏地に写真の原初的な技術である「サイアノタイプ(青写真)」を用いて、コートができるまでの過程を撮影した写真をプリントしたコート(23万9800円)など計8型をラインナップしている。
展示会では、コレクション製作にあたってのリサーチをまとめたZINE「YAMA」も販売。「リサーチ=未知の領域を信じ、探索していく姿勢」だという考えから、日常生活の中で自ら積極的に情報や視点を探索していく「リサーチカルチャー」を提唱している。
このほか会場では、 中村がメディアアーティストの眞鍋美祈とともに開発しているイマーシブ試着体験を体験することができるインスタレーションを展開。カメラで撮影した背面の姿を同時に鏡に映し出すことで全身が確認できると同時に、鏡にブランドの世界観を表現した映像を流すことで、映像の中に没入したような体験を提供するもので、今後もコレクション製作と並行してアップデートしたものを発表していく予定だ。
◾️Ei Nakamura AW 2025-26 “Blue Island”期間:2025年3月22日(土)〜3月23日(日)会場:代官山ホワイトルーム所在地:東京都渋谷区恵比寿西1-32-4 1階営業時間:22日 13:00〜19:00、23日 12:00〜18:00