三井住友信託銀元社員を告発=インサイダー取引の疑い―監視委

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2025年03月24日 17:01  時事通信社

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時事通信社

三井住友信託銀行本店=東京都千代田区
 三井住友信託銀行の管理職だった元社員によるインサイダー取引事件で、証券取引等監視委員会は24日、金融商品取引法違反容疑で、証券代行営業第二部長だった片山肇元社員(55)を東京地検特捜部に告発した。

 特捜部は近く刑事処分を判断するとみられる。

 告発状によると、片山元社員は同行で主に株式を上場する顧客企業などの内部情報を管理する業務に従事。次長または部長だった2022年12月〜24年8月、業務を通じて3社のTOB(株式公開買い付け)情報を知り、公表前に本人名義で計2万5900株を約3210万円で不正に買い付けた疑い。

 関係者によると、不正に得た利益は約2930万円に上るとみられる。

 監視委が今年2月、元社員の関係先を強制調査していた。調べに対し、インサイダー取引を行ったことを認めているという。

 元社員は昨年10月末、同行に不正を自己申告し、11月1日付で懲戒解雇された。三井住友トラストグループは同月、独立社外取締役や外部の弁護士で構成する調査委員会を設置。原因究明や他に同様の事案がないかなどについて調べている。

 元社員の告発を受け、同グループは「関係者の皆さまに多大なご迷惑、ご心配をおかけしており、深くおわび申し上げる。信頼回復に全力を挙げて取り組む」とのコメントを出した。

 金融業界では、金融庁に出向中だった元裁判官や東京証券取引所の元社員が、インサイダー取引に関与したとして金商法違反罪で特捜部に在宅起訴されるなど、不祥事が相次いでいる。 
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