加藤勝信財務相 【ロンドン時事】加藤勝信財務相は、24日に公表された英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、「日本は現時点でデフレを克服していない」との認識を示した。消費者物価の上昇や賃上げの動きが進んでいるものの、再びデフレに逆戻りする懸念がなくなるまでは、克服を宣言すべきではないと強調した。
FTによると、インタビューは19日の日銀金融政策決定会合の直後に行われた。同会合で日銀は政策の現状維持を決め、政策金利である短期金利の誘導目標を現行の「0.5%程度」に据え置いた。
加藤氏はインタビューで「消費者物価だけでなく、基調的な物価や背景も含め、総合的にみて日本がデフレから脱却したかどうかを慎重に判断すべきだ」と指摘。その上で、経済の正常化を進めるには、長期的に賃金の上昇が物価の上昇を上回ることが不可欠だと訴えた。