
3月19日(水)のテーマは「ノーマルさのかけらもない、ゼレンスキーのスーツ騒動で露呈したアメリカの異常事態」。トランプ政権が発足して数ヵ月が経ったアメリカの様子を見つめてきたラボのメンバーたちが、率直な感想を語り合いました。
※写真はイメージです
◆日本メディアでは取り上げられなかった裏側
トランプ政権が発足して2ヵ月。その最大の公約の1つが、ウクライナでの戦争を就任当日に終わらせるというものでしたが、ロシアのプーチン大統領は、アメリカとウクライナが提案した停戦の条件を拒否。番組収録日(3月16日)の現在に至っても、停戦の目処はたっていません。
一方で、トランプ氏とウクライナのゼレンスキー大統領の会談は異常なものでした。なぜなら2人が口論になり決裂した原因の1つは、“ゼレンスキー氏の服装”だったからです。日本のメディアではあまり触れられなかったその異常さを、ラボのメンバーたちが話しました。
|
|
これを受けて、X(旧Twitter)にはある写真が出回ったんだ。ゼレンスキーがスーツを着てヨーロッパの指導者と会っている写真。これを見て「ヨーロッパの指導者と会うときはスーツを着るのに、アメリカではTシャツを着るなんて失礼だ」といった内容の批判が広がった。でもそのスーツの写真の日付を調べてみると、戦争が始まる前のものだったんだよ。戦時下のウクライナではすべてがノーマルではない。戦場との連帯感を示そうとして、ゼレンスキー大統領はあえてフォーマルではない服装をしているんだ。
でもそれをあそこまで騒ぐ必要があったとは思わない。極右のジャーナリストはトランプ大統領のために、彼がスーツを着ていないことを指摘することで、ゼレンスキーが劣った存在のように見せようと仕向けたんだと思う。トランプにとって有利に交渉が運ぶためにね。
ミクア:今ホワイトハウスで起こっていることはすべて、フォーマルとか正式とか、そんなのとはほど遠いことばかりだと思う。もともとホワイトハウスでは、フォーマルで格式が高い服装、スーツにネクタイを締めなければならないって決まっているけれど、今こんな状況ではそれもバカバカしく見える。トランプが大統領である限り、フォーマルにする意味なんてないと思うよ。
記者がゼレンスキー大統領に「なぜスーツを着ないのか」と尋ねたのは、トランプが交渉を有利に進めるために、彼を劣った存在に見せる意図があったのでは? というのがラボのメンバーたちの見解です。
|
|

(左から)ミクア、シェリー、ヒカル、ノエ、シャンシャン、メアリー/©NY-Future-Lab
◆“いつもTシャツとジーパン”イーロン・マスク氏への批判も
「今のホワイトハウスでは、フォーマルな装いをする必要すらない」という意見も飛び出しました。ここで引き合いに出されるのは、もちろんイーロン・マスク氏です。
ミクア:イーロンはいつもTシャツとジーパンで、国民の前に立っているよね。真剣さのかけらもない服装だよね。ゼレンスキーの服はまだボタンが付いているシャツだけど、イーロンのはもう手がつけられないくらいめちゃめちゃ。国のことを全く真剣に考えていないというメッセージを出しているんだよ。これで外国の人に、「アメリカのことを真面目に扱ってくれ」と言うなんて無理があると思う。
シェリー:彼は大統領執務室に小さな息子を連れて行ったしね。
|
|
シェリー:えっ、なぜそう思うの?
メアリー:去年、大手保険会社のCEOが暗殺されて以来、「自分も撃たれるのではないか」という不安にさいなまれているらしいんだ。なんと言っても世界一の大富豪だからね。それで彼は子どもを連れ回すようになったっていうような記事を読んだけど、子どもを盾にしようとしているんじゃないかな?
ミクア:なるほどね。目の前に子どもがいれば、撃たれる可能性は低くなると考えているというわけか。
メアリー:あの子は面白いよね。トランプに向かって「イーロンが君の地位を奪うよ」とか「君はしゃべりすぎだから、静かにしてくれ」とか、そんなことを言っているのが放送されちゃった。
細かいことは忘れたけど、極右のタッカー・カールソンのポッドキャストか何かで、イーロンと一緒にインタビューを受けていたときにも、その子どもが「僕たちはそっと入り込んで、やりたい放題やるためにここにいるんだ」と言っていた。父親が言ったことを繰り返しているんだろうけど、この子がイーロンがやろうとしていることをペラペラ喋っちゃっているのが笑える。
いつもイーロンの本音を側で聞いている子どもが、公の場でそれを口に出して言ってしまう。その様子がそのまま放送されて問題にもならないというのも、ある意味で異常事態です。
イーロン・マスクへの批判は日に日に高まるばかりで、彼の政府効率化省のやり方をアメリカ人の6割が支持していません。一方、テスラの売上げや株も下降線をたどり、これを何とかしようとトランプ大統領がホワイトハウスでテスラのプロモーションをおこない、自らも購入すると発表。さらに、テスラのショールーム前で抗議行動する市民を「テロリスト」と呼ぶなど異常事態が続いています。
トランプ大統領の就任からわずか2ヵ月で、さまざまな混乱が起きています。シェリーは「人々がこうした異常さに慣れてしまい、それが普通だと思ったり、『仕方がない』と諦めたりしたところに独裁が静かに忍び込んでくる。アメリカは今、その危険を感じ始めています」と、警鐘を鳴らしました。
----------------------------------------------------
3月19日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年3月27日(木) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:NY Future Lab
放送日時:毎週水曜日18:40〜18:55放送
出演:シェリーめぐみ
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/nyfutureweb
特設サイト:https://ny-future-lab.com/
動画・画像が表示されない場合はこちら