衆院政治改革特別委員会で質問する立憲民主党の後藤祐一氏(左手前から2人目)=24日午後、国会内 衆院政治改革特別委員会を舞台にした企業・団体献金見直しは、自民党案、立憲民主党・日本維新の会案、公明党・国民民主党案が並び立つ「三すくみ」の構図となった。石破茂首相らの商品券配布問題を巡る攻防も絡み、議論が収束する兆しは見えない。期限に定められた3月末が1週間後に迫る中、取りまとめは困難との見方が広がる。
「スタンスが違いすぎる。期限を再度決め、議論する考え方もあるのではないか」。24日の衆院特別委で、国民民主の福田玄氏は質問を始めて早々、事実上の期限先延ばしに言及した。
自民は「禁止より公開」を主張。企業・団体献金を存続させ、1000万円超を献金した企業・団体の名称などを公開する法案を単独で提出した。これに対し、立民、維新などは法案を一本化し、企業・団体献金を禁止した上で、政治団体の献金に上限額を設ける「原則禁止」法案を共同提出した。
衆院特別委では両案を並べての審議が24日からスタート。審議はのっけから紛糾気味となった。立民の後藤祐一氏は商品券配布について質問を繰り返し、答弁に立った自民の小泉進次郎元環境相は「こじつけ質問だ」と猛反発。元農林水産相らによる鶏卵汚職事件を引き合いに企業献金の悪影響を指摘されても、小泉氏は「個人献金でも全く同じことが言える」と存続を譲らず、後藤氏は「論理が破綻している」と捨てぜりふを吐いた。
双方の中間で独自の動きを取るのが公明、国民民主だ。この日の審議に先立ち、企業・団体献金の存続を容認した上で、一つの相手に対する献金の上限を2000万円とする「規制強化」案をまとめた。献金の詳細公開基準は自民案より厳しい「5万円超」に設定した。
公明などはこの案を「たたき台」と位置付け、自民、立民、維新などの歩み寄りに期待を示す。ただ、審議後、小泉氏は公・国案について「確認が必要だ」と慎重な姿勢を崩さず、立民幹部も「乗るのは無理だ」と突き放した。
与野党が昨年の臨時国会で合意した議論の期限は1週間後の3月末。3案はいずれも衆院の過半数の賛成を得る道筋が見えず、自民幹部は「政党の成り立ちが違う。分かり合えない」と諦め顔で語る。立民幹部は「延長戦も選択肢として十分ある」と述べ、期限先送りを探る考えを示した。

衆院政治改革特別委員会で答弁する自民党の小泉進次郎元環境相(右端)=24日午後、国会内