3月24日、個人番号カード(マイナンバーカード)を運転免許証として利用できる、いわゆる「マイナ免許証」の運用が始まりました。
以前の記事でも触れた通り、既に運転免許証を持っている人も、更新前にマイナ免許証への切り替え、あるいは併用(追加)も可能です。今回、併用するための手続きをしてきましたので、注意点とあわせてレポートします。
●おことわり
マイナ免許証に関する手続きの方法は、お住まいの都道府県によって異なります。詳細は都道府県警察本部のWebサイト、または運転免許担当部署に問い合わせてください。
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●マイナ免許証を追加する手続きの流れ
筆者は東京都民で、運転免許証は東京都公安委員会から受けています。そのため、手続きは警視庁が運営する3カ所の「運転免許試験場」のいずれかで行う必要があります。今回は、筆者が生まれて初めて運転免許証を手にした場所でもある「江東運転免許試験場」(東京都江東区)で手続きを行うことにしました。
以前の記事でもお伝えした通り、東京都(警視庁)の場合、更新を伴わないマイナ免許証に関する手続きは事前予約が必要です。筆者は事前予約した時間の1時間前に到着しましたが、予約時間の確認などをされることなく、すぐに窓口に通されました。もしかして、来場者数の事前把握にのみ使っている感じなのでしょうか……?
なお、免許試験場内は撮影禁止なので、この先は文字だらけになります。
まずは申請書類の作成
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江東運転免許試験場の場合、更新を伴わないマイナ免許証関連の手続きは運転経歴証明や免許返納と同じ「12番窓口」での受け付けとなります。他の手続きよりも列は少ない……と思いきや、この日はマイナ免許証に関する手続きをする人が意外と多く、少し待たされました。
マイナ免許証の併用申請は「運転免許証の保有形態変更」という手続きの一種です。手続きはユーザー(手続き者)操作が可能な端末で進めていくのですが、江東運転免許試験場の場合は「オペレーター(係員)操作モード」に切り替えられており、大半の操作を係員が行っていました。
保有形態変更手続きの“第1プロセス”の手順は以下の通りです。
1. 係員に運転免許証とマイナンバーカードを提示して、希望する保有形態を伝える
2. 指示に従ってカードリーダーに運転免許証を置く
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4. 運転免許証の写す面を“下に”する(通常は表面のみ:追記がある場合は裏面も)
7. 指示に従ってカードリーダーにマイナンバーカードをかざす
9. 表面を“下に”する(裏面は撮影しない)
12. マイナ免許証用の「暗証番号」を設定する(唯一、自分で端末を操作する)
14. 従来の運転免許証とは異なり1種類のみ
15. 従来の運転免許証と同様に「登録カード」も印刷される
18. 端末が印刷した書類(2枚)を窓口の係員に渡す
端末から出てくる書類は「特定免許情報記録申請書」と「マイナ(免許証・経歴証明書)引換書」の2枚です。窓口係員は印刷内容が手持ちの運転免許証とマイナンバーカードと相違ないか確認した後、申請書に必要な追記を行ってくれます。
なお、この時点ではマイナ免許証のデータはマイナンバーカードに書き込まれていません。
手数料の支払い
その後、係員から「2枚の書類を持って、手数料の支払い窓口に行ってください。手数料を払い終えたら、この窓口に戻ってきてください」と言われます。その指示に従って手数料の支払い窓口に移動します。
江東運転免許試験場の場合、手数料の支払いは「0番窓口」で行います。窓口は3つあり、1つはキャッシュレス専用、2つは現金専用です。本試験場を含めて、警視庁では現金の他に以下の方法で手数料を支払えます。
・クレジットカード(Visa/Mastercard/JCB/American Express/Diners/Discover)
・上記決済ブランドのデビットカードやプリペイドカードも利用可
・Diners/Discover以外はタッチ(EMVコンタクトレス)決済にも対応
iD
QUICPay/QUICPay+
交通系電子マネー(Suica/PASMOなど)
WAON
nanaco
コード決済(d払い/au PAY/PayPay/楽天ペイ/メルペイ/ゆうちょPay)
更新を伴わなずにマイナ免許証の追加(法的には「特定免許情報記録」の追加)をする場合、手数料は1500円(非課税)となります。
当日は8時30分のオープン時にシステムトラブルがあった影響で結構混み合っており、キャッシュレス専用列は比較的早く流れたとはいえ、列に並んでから35分ほど待たされました。
再び窓口へ戻る
手数料の支払いを終えたら、いよいよ発行の手続きに入ります。手数料を支払ったことが追記された書類を再び窓口に提出し、呼び出し番号札をもらいます。
すぐ呼び出されるのかなと思いきや、筆者の前に結構待ち人数がいたらしく、ここでも30分ほど待たされました。更新せずにマイナ免許証の切り替え/追加を行う人が思ったよりも多かったせいか、隣接する窓口も利用して並行対応を始めたようです。
呼び出されたら、係員に運転免許証とマイナンバーカードを提出します。すると係員がカードを非接触リーダー/ライターに置き、ICチップにマイナ免許証のデータを保管する「免許AP」の領域を作成してから、マイナ免許証のデータを書き込みます。
警察庁の案内ページでは「写真撮影」のプロセスもあるのですが、今回は“併用”の手続きだったせいか省略されました(運転免許証と同じ写真データが記録されました)。
書き込み後、正しくデータが記録されていることを「免許情報記録確認書」を使いつつ係員と一緒に確認します。確認書をもらったらマイナ免許証の追加手続きは完了です。
しかしもう1つ、その場で終えておくべき手続きがあります。
●「オンライン講習」を受けたい場合は追加の手続きが必要
マイナ免許証を保有すると、「優良」「一般」区分の免許更新時に講習をオンライン受講できます。好きな時間に自宅などで講習を受けることで、更新当日は「写真撮影(提出)」「視力検査」「手数料の支払い」だけで運転免許証を受けられるようになります。
オンライン講習を受けるには、事前に都道府県公安委員会へとマイナンバーカードの「署名用電子証明書」を提出した上で、「マイナポータル」でマイナンバーカードとの連携手続きを行う必要があります。
都道府県公安委員会への「署名用電子証明書」提出
都道府県公安委員会への署名用電子証明書の提出は、マイナ免許証の発行/切り替え/併用手続きをする際に同時に行えます(免許の更新時を含む)。恐らく、切り替え/併用手続き時に係員から「今後のオンライン講習をご希望でしたら、ここで署名用電子証明書の提出もできますがどうしますか?」と聞かれると思うので、特に理由がない場合は一緒に手続きをすることを強くお勧めします。
なお、署名用電子証明書を提出するにはマイナンバーカードの「署名用電子証明書用パスワード」(英大文字と数字からなる6〜16桁)が必要です。覚えていない場合は事前に確認するか、住民票のある市町村/特別区の指定窓口で初期化(再設定)をしておきましょう。
マイナ免許証の手続き時に覚えていない場合は、後日都道府県公安委員会(都道府県警察本部)が指定する場所に出向き、署名用電子証明書を提出する必要があります。提出だけなら無料ですが、二度手間になるのでお勧めできません。
マイナポータルでの連携手続き
都道府県公安委員会に署名用電子証明書をすると、マイナポータル上で運転免許証との連携操作ができるようになります。手元にマイナンバーカードと「マイナポータル」アプリを入れたスマートフォン/タブレット(PCでは対応するICカードリーダーも可)を用意した上で、以下の手順で連携操作をしてください。
1. PCかスマホでマイナポータルにアクセス
3. スマホの場合はマイナポータルアプリ経由のアクセスを推奨
6. マイナンバーカードを使ってログインする
8. Androidスマホで「スマホ用電子証明書」を使っている場合も、この手続きはマイナンバーカードでのログインが必要(途中で再ログインを要求される)
11. トップ画面にある「運転免許」をタップ
12. 「連携をはじめる」をタップ
13. 注意書きを読んだら「連携」をタップ
14. 「同意して次へ」をタップ
15. 「マイナンバーカードを読み取る」をタップ
16. マイナンバーカードの「券面事項入力補助用暗証番号」を入力して「次へ」をタップ
17. マイナンバーカードを読み取る
18. 読み取った情報が正しいことを確認して「送信」をタップ
19. 利用規約を読んで「利用規約を確認しました。」にチェックを入れて「同意する」をタップ
20. マイナンバーカードの「署名用電子証明書用パスワード」を入力して「次へ」をタップ
22. Androidスマホにスマホの署名電子証明書がある場合は、同証明書とそのパスワードで代用することも可
25. 「読み取り開始」をタップしてから再びマイナンバーカードを読み取る(Androidスマホでスマホの署名用電子証明書を使った場合はスキップ)
26. 完了
なお、上記の連携後に何らかの理由で運転免許証が失効/取り消しとなった場合、再度運転免許証を取り直したらマイナポータルから旧免許証の連携を解除してから、新免許証で手続きをやり直す必要があります。
筆者がマイナ免許証の併用を決めたのは、このオンライン講習を受けるためだったりします。オンライン講習のタイミングになったら、その使用感をレポートしたいと考えています。
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