
昨年、初の日本武道館ワンマンライブを成功させた、レペゼン秋葉原のアニソンダンスパフォーマーチーム「REAL AKIBA BOYZ(リアルアキバボーイズ)」、略してRAB。2007年に結成された歴史あるチームだが、その中でも最年少メンバーの龍(18歳)が注目を集めている。
2022年、15歳で同チームに加入。アラフォー世代のメンバーが多い中、唯一の10代メンバーとして活動している。この春に高校を卒業し、今年7月には初のダンスワンマンライブ開催も決定している若きオタクダンサーにインタビューを実施! ダンスやアニメへの熱い思いや、高校生活の思い出、卒業後の目標などについて語ってもらった。
――REAL AKIBA BOYZさんはアニソンダンスのパイオニアとして長く活動されているので、こんなに若いメンバーがいるとは驚きでした。
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龍 チームとしては2007年結成なので18年になるんですけど、僕もちょうど18歳なんです。RABができた頃に生まれた僕が今ここにいるのは、なんか変な感じがしますね。元々、ニコニコ動画等で活動を見ている側だったので、メンバーの涼宮さん(涼宮あつき)のソロ動画が面白いなとか子供ながらに思っていて。世界で戦えるスキルを持っている人たちですけど、当時はそのすごさはわかっていなかったです。
――見ている側から、どういう経緯でメンバーに?
龍 オファーをいただいたのは、高校1年生の頃でした。涼宮さんが主催している「あきばっか〜の」という日本一のアニソンダンスバトル大会があるんです。そこに僕が出ていたのを見て声をかけてくれて。まずは、REAL AKIBA BOYZ×龍でコラボ動画を撮って、ゲストでライブに呼んでもらってとか、段階を踏んでから加入しました。
――今年1月開催の「あきばっか〜のvol.32」では優勝し、史上初の2連覇(「龍と勇太」)。アニソンダンスに限らず数々のダンスバトルで優勝していますが、ダンス歴は?
龍 3歳から始めたので、15年ですね。テーマパークダンサーを真似て踊っていたらしくて、ダンススクールに通わせてもらって気づいたら踊っていました。幼稚園の年長さんくらいからはストリートダンスのスクールに通い始めて、そこからダンスバトルを見るのにハマって。当時、キッズダンスとかストリート界隈が盛り上がっていたんですよ。それで小1くらいからバトルに出始めたと思います。
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――RABさんはダンスだけでなくオタク力も試されると思いますが、龍くんは何オタク?
龍 アニメと声優さん、あとは『ラブライブ!』コンテンツのオタクをしています。特に、『ラブライブ!スーパースター!!』が好きですね。「ラブライブ!に出て優勝を目指す」という内容は、自分がやってきているダンスにも通ずるものがあって。主人公が3年生として後輩に寄り添っていくところなんて、ダンスでいうチームリーダーのあるべき姿というかお手本にすべきだなと思います。ダンスチームの構成、音楽に対する向き合い方とか、共感できるところが多すぎて!
――なるほど。メンバーがかわいいってだけじゃないんですね。
龍 メンバーの成長過程をリアルに追えるコンテンツなんですよ。「稼いだお金は全部『ラブライブ!』に使うぞー!」くらいの気持ちで生きています。アニメ3期の最終回は、声を出して大泣きしましたからね!
――そういうアニメの話ってメンバーともするんですか?
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龍 みんなオタクなんですけど、RABのメンバーは趣味趣向がバラバラなんですよ。VTuberさんとか昔のアニメとかそれぞれ好きな分野には詳しいですけど、語り合うのは難しいですね。それに、『ラブライブ!』の話をしたくてもμ's(ミューズ)で時が止まっているんです。ストーリーを進めたくないって気持ちがあるらしくて(笑)。
――無印というか、初期『ラブライブ!』のスクールアイドルグループ「μ's」ですね。素晴らしい作品なので、私も進めたくない気持ちわかります。
龍 歴史を受け継いで進化させて、次の世代のLiella!(リエラ)とかが存在するので。「お願いだから見て! 早くこっちに来て!」ってよくメンバーに言っています。
――先日、高校を卒業しましたが、そのオタクぶりは学校でも有名だったんじゃないですか?
龍 いや、高校時代は動画編集したりコンテンツ追うためにアニメ見たり、隙間時間を自分のためにっていたので「無言でスマホいじっているヤツ」とか思われていたんじゃないですかね。僕が想像していたのは放課後に女子とキャッキャしてウフフでしたけど、そんなアニメ的な高校生活は存在しなかったです(笑)。
――ちゃんとリアルでもオタクキャラをしていたんですね。
龍 キャラじゃないですけど(笑)。RABの活動をしながら学生やっていただけなので、青春の"せ"の字もなかったですね。高校3年間の中でやり残したことがあるとしたら、サンドリオン(声優ユニット)の解散阻止くらいです!
――卒業後の進路は?
龍 大学に進学します。RABの活動はずっと続けたいと思っているので、大学で学んだことを仕事に活かしていきたいです。
――芸能一本という道もあったと思うのですが、進学を選んだのはどうしてですか?
龍 うちのチームのけいたんの影響が大きいですね。RABを続けながら会社の社長とかも務めている人で、実業家としてもプレイヤーとしてもめちゃくちゃ優秀なんです。「けいたんさんみたいなブレインと、涼宮さんみたいなカリスマ性を持ったら最強になれるんじゃね?」と思って(笑)。僕は両方の才能がほしいので、この先もRABを続けていくための大学進学です。
――なんか、先程の『ラブライブ!』の話と通ずるものがありますね。
龍 そうなんです。RABのオリジナルメンバー「ROOTS」がμ'sで、派生ユニット「RAB ESPICE」のメンバーがAqours(アクア)、そして3代目の僕が『ラブライブ!スーパースター!!』のLiella!なんですよ。やっぱり大事なのはコンテンツを受け継いで歴史を刻んでいくことだと思うので、ここからですよ!
――では、今後の目標は?
龍 REAL AKIBA BOYZをでかくして、自分自身もでっかくなる! あわよくば僕が成長することで、チームが自然とでかくなっていけばいいなと思っています。まだ18歳なので、あと20年くらいチームは続くので安心してください。これからもRABをやり続けます!
●龍(りゅう)
2006年10月12日生まれ、千葉県出身。ブレイクダンスやA-POPダンスなど数々のバトルで優勝。2022年からREAL AKIBA BOYZのメンバーとして活動中。7月26日(土)に東京キネマ倶楽部にて、初のダンスワンマンライブ「龍LIVE『絶闘』」開催予定。REAL AKIBA BOYZのワンマンライブ「僕らのマスターピース」は10月4日(土)、東京体育館にて開催予定。
公式X【@RAB_RYU】
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YouTubeチャンネル「龍【踊れるオタクの生息地】」
取材・文/釣本知子 撮影/安藤マミコ