世界平和統一家庭連合(旧統一教会)のロゴマーク(AFP時事) 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求は、不当な高額献金など民法上の不法行為が根拠となった。他の宗教法人からは「妥当だ」と評価する声が上がる一方、「政府が宗教団体を恣意(しい)的に弾圧できるようになる恐れがある」との懸念も聞かれた。
宗教法人法は、「法令に違反して著しく公共の福祉を害した場合」などを解散命令の要件としている。オウム真理教など過去の事例では幹部が刑事責任を問われたことを理由に解散が命じられたが、旧統一教会には刑事罰を受けた幹部はおらず、教団は要件に該当しないと主張していた。
解散命令請求について、プロテスタント系の「日本基督教団」は「刑法であれ民法であれ、不法行為をした宗教団体の法人格が取り消されるのは当然だ」と賛同。その上で、憲法では「信教の自由」が保障されており、「宗教活動まで剥奪されるわけではない」とした。
「事実上の宗教弾圧だ」と非難するのは新興宗教団体「幸福の科学」。文部科学省の解散請求は信教の自由を侵害しているとし、「『民法上の不法行為』を理由に(解散命令の)適用範囲が不当に拡大される恐れがある」と危惧した。
創価学会は解散請求への賛否について「回答は控える」とした上で、「信教の自由を厳守する観点から、宗教に対する公権力の行使は慎重であるべきだ」との考えを示した。