



タイトの言葉を聞いて、私は思わず大声を出してしまいます。親にお金を出してもらって大学に行ける恵まれた環境で、何甘ったれたことを言っているんだか……。夫は事情を聞きだそうとしますが、そんなもの聞く必要はありません。



情けないやら悔しいやらで、感情がぐちゃぐちゃになって「辞めるなら金を返せ」と罵倒してしまいました。そんな私を見て、夫がなだめるように言います。「まあまあ、今日はいったんこのへんで。また落ち着いてから話そうか」


大学を辞めることを、もう決定事項であるかのように話すタイト。そんなこと許されません。あまりの腹立たしさから私は「今までかけたお金を返せ」と怒鳴ってしまいました。
高卒で苦労した私だからこそ、タイトには大学を出て安定した人生を歩んでほしかったのです。そのための出費は惜しまなかったし、大学に行けるだけの学費も必死で働いて貯めてきました。子どもを思う親としての気持ちを否定されたようで、なんだか悔しくて涙が出てきました。
【第2話】へ続く。
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