魚を食べる子どもは社会性が身につく!?驚きの影響を医師が解説

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2025年05月11日 15:00  クックパッドニュース

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魚を食べることは健康にいいと言われていますが、実は子どもにこそ、積極的に食べさせるべきとの研究結果が出ているようです。そこで、子どもに魚を食べさせることのメリットについて、YouTubeチャンネルの登録者数が50万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。

“魚の摂取量”が子どもに与える影響

ブリストル大学の研究で、魚の摂取量が子どもの行動発達に影響を与えることがわかりました。

魚介類には子どもにとって重要な栄養素である、オメガ3の脂肪酸、微量元素であるセレン、ヨウ素などが含まれていて、魚を摂取することが健康的な生活習慣を表わす1つの指標にもなります。

子どもにとっては、少なくとも週に2回は魚を食べること、そのうち1回はサケやサバなどの脂の乗った魚を食べることが一般的に望ましいともされています。

プロソーシャル・ビヘイビアと言われる向社会的行動は、生後1〜2歳で発達が始まり、年齢とともに頻度が増えたり、複雑な行動が取れるようになったりしてきます。

向社会的行動とは、他人に対して友好的に接したり、利他的な行為や自己犠牲を伴うことをやってみたり、何かを共有したりなどの行動パターンのことですが、これらを育むことは社会生活を行っていく上で非常に重要な要素です。

これは、幼少期にどのような栄養を摂取するか、どういった生活環境であるかといったことが大きく影響を与えるのです。

魚を食べる子どもと食べない子どもの違い

研究によると、魚の摂取量が極端に少ない子どもたちは、魚を定期的に摂取している子どもたちに比べて、社会性ややさしさに欠ける可能性が高いことがわかりました。

過去の研究では、妊娠中に母親が魚をよく食べると、子どものIQや言語の発達、行動特性などに有利に働くことが示されていましたが、今回の研究では、子ども本人がどの程度魚を食べるかによって、その後の行動発達に大きな影響を与えることが示されています。

週2回程度、魚を食べることで、子どもにとっていい教育や発育を与えるということが示されているので、これは親御さんの取るべき行動の1つの指針になるかもしれません。

知的発達だけではなく、思いやりを持った行動を取るなどの社会性を身に付ける上でも魚の摂取が影響を与えているということです。

魚の摂取は“認知機能の改善”にもつながる

一方で、魚に含まれている水銀のリスクなどについては、2020年以降はかなり警鐘が鳴らされています。

特に、マグロとかメカジキなどの大きな魚、食物連鎖の上位に位置するような魚は、水銀が蓄積・濃縮しやすいです。

そのため、大型の魚は控えて、サーモン、サバ、いわしなど、比較的に水銀の汚染が少ない小型の魚を適度に摂り入れることが重要です。

2020年以降の研究では、魚の摂取によって得られるEPAやDHAと呼ばれるオメガ脂肪酸が、ADHDや学習障害などの子どもたちの発達に有利に働くとも示されています。

また、子どもだけではなく大人にも魚の摂取は効果的で、週1〜2回魚を食べると、高齢者の認知機能の維持や改善に働くことがわかっています。

EPAやDHAなどのオメガ3の脂肪酸が、脳の血管機能を維持するのに有利に働くと考えられています。

週に1〜2回の魚の摂取は、子どもの脳の発育、そして将来の認知機能の低下の予防につながるということは覚えておきましょう。

(TEXT:山田周平)

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画像提供:Adobe Stock

石黒成治先生


消化器外科医、ヘルスコーチ。
1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は50万人超(2025年5月時点)。

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このニュースに関するつぶやき

  • 小3の長男は肉より魚派で魚種問わず魚大好きなんだけど、肉と比べて割高なんだよね。もっとたくさん食べさせてあげたいけど物価高もあってなかなか、ね…。
    • イイネ!1
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