免疫力UPでウイルス対策にも!「舞茸」のスゴさを”きのこ博士”に聞いてきました

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2025年05月11日 20:00  クックパッドニュース

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「舞茸のたんぱく質分解酵素は、スーパーで手に入る食材の中でも最強クラス」――そんな情報がSNSなどでたびたび話題になります。その真偽を確かめるため、ホクト株式会社できのこ総合研究所 開発研究部 部長、“きのこ博士”こと大内謙二さんに、舞茸の秘めたスゴさについてお話を伺いました。想像以上のパワーに、きっと驚くはずです!

舞茸に含まれるビタミンDは感染症予防に効果的

――舞茸に期待できる効果効能がたびたび話題になっていますが、具体的にどこがスゴいのかを教えてください。

舞茸にはビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDはきのこ全般に含まれているのですが、ホクトの舞茸は特にビタミンDが多いんです。このビタミンDという栄養素は、腸管でのカルシウムの吸収を促進したり、筋力を維持したり、骨の形成を助けてくれます。さらに、今最もタイムリーなものとして「感染症の予防」という効果があります。


ホクト株式会社 きのこ総合研究所開発研究部部長・大内謙二さん

――感染症予防効果があるんですか? それはすごく気になります。

これまでも免疫力を高める効果は話題になっていますが、急性呼吸器感染症とビタミンD摂取の関係を調べた研究結果を解析したところ、その効果が証明されたんです。血中ビタミンDが低い人がビタミンDサプリを摂取しなかった場合、インフルエンザや肺炎の発症率が59.8%なのに対して、摂取した人は31.5%に抑えられたという研究報告があります。感染症予防の一つとして、ビタミンDが多く含まれるホクトの舞茸を食べることをおすすめしたい*です。

――ビタミンDはきのこ全般に含まれているということですが、他にも特徴的な成分はありますか?

きのこにはビタミンDの他に、食物繊維の一種であるβグルカンという、きのこに特異的な成分が多く含まれています。このβグルカンは腸内の免疫細胞を直接刺激して、体の免疫力を高める働きをしてくれます。免疫力をあげたいときには、舞茸をはじめ、きのこ全般を意識して摂取することをおすすめします。免疫力アップだけでなく、アレルギー予防の効果も期待できるんです。

*――アレルギー予防の効果もあるんですか?

そうなんです。弊社が行ったマウスを使ったアレルギー反応試験によると、舞茸を食べると、アレルギー症状を引き起こす“ヒスタミン”の放出量が半分以下に減少したというデータが出ています。

これは、舞茸をはじめとするきのこに含まれる「エルゴステロール」が、アレルギー反応を軽減する効果を持つとされているからなんです。

1日に30g〜50gの摂取で、摂取基準をクリアできる

――ここまでお話を聞いただけでも、「毎日、舞茸を食べよう!」という気持ちになるのですが、免疫力アップやアレルギー予防を期待したときには、どのくらいの摂取量が必要になるのでしょうか。

これまで、ビタミンDの摂取基準は18歳以上の男女ともに5.5㎍とされていましたが、2020年4月からは8.5㎍に引き上げられます。ホクトの舞茸にはビタミンDが多く含まれているので、1日に30g〜50g摂取できれば、十分にこの基準を満たすことができます。だいたい1パックが100gなので、半分食べれば十分です。もちろんそれ以上食べてもいいですよ(笑)。

本来は、人間も太陽光にあたることで体内にビタミンDができるんですが、最近は紫外線予防として日焼け止めや紫外線カットをしている方が多いので、ビタミンD不足に陥ってるんです。ぜひ意識してビタミンDを摂取するようにしてみてください。

――では逆に、ビタミンDを減らしてしまう調理方法はありますか?

ビタミンDは熱に強いビタミンなので、加熱で減るということはありません。ビタミンDは脂溶性のビタミンなので、油と一緒に調理すると吸収力がアップするということはありますね。舞茸を食べるなら、天ぷらや炒め物がおすすめです。また、舞茸は必ず加熱してから食べてくださいね。

舞茸でお肉が柔らかく&もっとおいしくなる!

――SNSでは、「舞茸はスーパーで買える食材の中では最強クラス」ということで、お肉を柔らかくする効果が話題になっていました。

舞茸に含まれる酵素の「プロテアーゼ」は最強だと思います。茶碗蒸しに舞茸を入れると固まらないというのは、昔から有名な話ですよね。私も、お弁当の中でカニカマと舞茸が接触していてカニカマが溶けてしまっているという経験をしたことがあります。舞茸の酵素はそれだけ強いので、その性質を利用してお肉を柔らかくしようというのは理にかなっていると思います。

――そうなんですね! お肉を柔らかくするためにはどのように舞茸を使ったらいいのですか?

下味の段階で舞茸を一緒に漬けておくと、安いお肉でもすごく柔らかくなります。熱を加えると固くなりやすい鶏むね肉なども、舞茸と一緒に下味をつけると柔らかく調理することができます。舞茸から酵素が出てくるので、できるだけ舞茸を細かくした状態で一緒にしておくといいですよ。

――舞茸と一緒に下味をつけることで、お肉の味が変わることはありますか?

味が変わるという印象はないですが、舞茸の風味も加わります。たんぱく質分解酵素がアミノ酸を分解し旨味成分となるので、おいしくなります。

――ありがとうございました! 最後に、大内さんが一番好きな舞茸料理を教えてください。

これは、舞茸を使った一番簡単な食べ方なのですが、ベーコンと舞茸を塩コショウで炒めて、最後にほんのちょっと醤油をかけるというのが一番好きです。

舞茸がモリモリ食べられるおすすめレシピ

他にも、大内さんがおすすめする舞茸のレシピを3品教えていただきました。

舞茸や他のきのこを効果的に食べられる





キノコとベーコンのソテー(レシピ:https://cookpad.com/recipe/5697409)
by ポチポチシンキ
簡単すぎてごめんなさい!
レシピとして紹介できるほどのコツもないのですが、取り合わせが美味しいので紹介します(^▽^*)

いわしにもビタミンDが豊富





ビタミンDを摂る!いわしとキノコの天丼(レシピ:https://cookpad.com/recipe/4588134)
by 虎よ虎よ!
具だくさんの天丼です。カルシウムの吸収を促進するビタミンDが豊富な魚とキノコをたくさん食べてください。

お肉が驚くほど柔らかくなる!





安いお肉もビックリ柔らか!(レシピ:https://cookpad.com/recipe/799635)
by ちょびっと部長
ペースト状にしたマイタケを塗っておくだけ
タンパク質分解酵素のお陰で、たたいたりスジ切りしなくても柔らかく調理できます

おいしさはもちろん、感染症やアレルギーの予防など、さまざまな効果が期待される舞茸。普段の食事に取り入れている方も多いかもしれませんが、大内さんおすすめのレシピで、さらに積極的に楽しんでみてはいかがでしょうか。

取材協力 ホクト株式会社

※2025年5月11日更新

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このニュースに関するつぶやき

  • キノコにそんな薬効があると言うなら、キノコを医薬品に登録したほうがいいし、そんな薬効が無いのなら、この言説は薬機法違反だし。
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