埼玉「全裸で侵入」容疑者　覚醒剤使用容疑で再逮捕　20件以上関与か

　埼玉県で全裸の男性によるひき逃げや車両盗難の通報が相次いだ事件があり、県警は12日、同県蕨市中央3の建設作業員、西村大輔容疑者（48）＝建造物侵入容疑で逮捕、処分保留で釈放＝を、覚醒剤取締法違反（使用）容疑で再逮捕した。県警は西村容疑者が20件以上の事件に関与したとみて、当時の行動への覚醒剤の影響についても調べる。

　再逮捕容疑は、4月上旬から21日に覚醒剤を使用したとされる。西村容疑者は「間違いない」と容疑を認めているという。

　県警によると4月21日夜、県内で「全裸の男が事故を起こした」「車を盗まれた」などの通報が数十件相次いだ。県警は、同県草加市の学習塾敷地に侵入した疑いで西村容疑者を現行犯逮捕。その後の尿検査で覚醒剤の陽性反応が出たという。

　防犯カメラなどの解析を進めたところ、西村容疑者は同日午後8時過ぎから約1時間半にわたり、車の強奪やひき逃げを繰り返しながら、県内の4市を全裸で移動したとみられる。ハンマーで車の窓ガラスを割り、運転手を引きずり出すなどしていたという。

　さいたま市緑区で男性会社員（46）が車にはねられ死亡するなど、西村容疑者が関与したとみられる事件が20件以上確認され、死者は1人、負傷者は10人に上る。これまでの調べに、一連の事件への関与をおおむね認めているという。【田原拓郎】