2024年F1アメリカGP セルジオ・ペレス(レッドブル) セルジオ・ペレスが2026年にF1に復帰するための取り組みは、キャデラックとの契約のみではない。たとえキャデラックが、ペレスの希望の行き先とみられているとしてもだ。ペレスに近い情報筋によると、ペレスの代理人はF1第6戦マイアミGPを訪れ、フラビオ・ブリアトーレと、来年の契約を結んでいるドライバーがいない唯一のチームであるアルピーヌとの交渉を開始したという。
ジャック・ドゥーハンはアルピーヌのシートを失ったが、起用されたリザーブドライバーのフランコ・コラピントの安定性にも多くの疑問符が付いている。コラピントはウイリアムズでレースに出た昨シーズン終盤に、不必要で高くつく事故を数回起こしているのだ。もしピエール・ガスリーが他チームへの移籍を決断した場合には、ペレスのような経験豊富なドライバーを雇うことは、アルピーヌにとってよい代替案となるかもしれない。
コラピントを巡るもうひとつの疑問点は、彼のスポンサーが合意した支払いを行えるかどうかだ。アルゼンチンの電子商取引企業『メルカドリブレ』による最近の分割払いの支払いは、かなり遅れたとみられている。一方、ペレスの後援者はF1ではよく知られた存在であり、常に契約上の義務を迅速に履行してきた。
ベテランのペレスにとって、アルピーヌはキャデラックよりもはるかに競争力のある提案となるだろう。特にアメリカのチームは、今後数年間をかけて体制を整えることになるからだ。2026年からアルピーヌにパワーユニットを供給するメルセデスの契約は、ペレスにとっても大きな魅力だ。彼は、2014年にフォースインディアでメルセデスのパワーユニットを使用しており、彼らが第一世代のハイブリッドパワーユニットでどれほど優れた仕事をしたか知っているからだ。
しかし、アルピーヌのドアをノックしたベテランはペレスだけではない。バルテリ・ボッタスの代理人であるディディエ・コトンも、マイアミでアルピーヌのエグゼクティブアドバイザーを務めるブリアトーレと会話しているところを目撃されている。また、土曜日の夜にこの街でキャデラックがチーム立ち上げの公式イベントを行った際に、コトンはキャデラックのトップマネジメントとかなりの時間を過ごしていた。また、パドックではFIAとF1のゲストとして、これらの組織のモーターホームを使用して会議も行っていた。
両ベテランドライバーは、来年F1に復帰するための契約締結を急いでいる一方で、キャデラックとアルピーヌは何らかの決定を下すにあたって焦ってはいない。2026年以降に空くシートは非常に少ないため、選べるドライバー人材が豊富であることから、市場が彼らにとって有利であることを理解しているのだ。
[オートスポーツweb 2025年05月12日]