ニッサンがフォーミュラE東京大会に向けて会見。3月で役目を終えた西川元チーフ「今年は表彰台独占で満面の笑みで」

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2025年05月14日 23:50  AUTOSPORT web

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横浜の本社で行われたニッサン・フォーミュラEの会見
 フォーミュラEに参戦している日産自動車が、今週末に2度目の開催を控えたフォーミュラE東京大会に向けて横浜みなとみらいの本社で会見を行った。チーム監督、エースドライバーであるオリバー・ローランド、そして今年のGEN3 Evoマシンのパワートレインの開発に携わり、3月いっぱいでその役目を終えた西川直志チーフ・パワートレインエンジニアが登壇し、週末の東京大会に向けての抱負を語った。

 今年のフォーミュラEのニッサン・フォーミュラEチームは、これまで7戦を終えて3勝を挙げ、オリバー・ローランドが首位、チームランキングでも2位とまさに絶好調とも言えるパフォーマンスで第8戦、そして第9戦の東京2連戦を迎える。

 ニッサン・フォーミュラEのバイスプレジデント兼、ニッサン・フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ・ヴォルペ監督は「昨年、好成績をあげた東京大会に再び参戦するのはチームにとって特別なことです。今回はホームでのダブルヘッダーとなるため、非常に意義深いイベント。地元のチームとして、日本の素晴らしいファンの前でレースができることはもちろん、日産のトップマネジメントが応援に来てくれるこの重要な瞬間を迎えられることが嬉しいです。昨年はポールポジションと2位を獲得しましたが、今年はコースレイアウトが改良されたので、さらに速いペースになるでしょう。私たちの目標は2台で揃ってポイントを獲得することです」とコメント。

 今季すでに3勝を挙げているローランドは「去年は初めての東京大会でとても楽しみにしていたよ。でも、予選ではポールポジションを獲得できたけど、実際のレースはエネルギーマネジメントの面などで簡単ではなかった。今年は明らかに各チームのパフォーマンスが拮抗しているので、とにかくレースに集中して、去年は勝つことができなかったのでなんとか勝ちたいね」と週末に向けての抱負を語った。

 一方、西川エンジニアは、自身が開発したGEN3 Evoの今季これまで好調に理由について説明。

「奇しくも2年前にオリバーとトマソとここに来た時に、数字は言えませんが『このくらいパワートレイン効率が変わります』と宣言したのですね。それから、ことあるごとにオリバーが『その数値に行ったのか?』と開発フェイズを聞いてきまして、今年は実際、その数値に届いたので自信を持って運転してもらえていると思います」

「ただ、パワートレインが良かったとしても当日のマシンのセッティングとかレース戦略とか、チームがどれだけポテンシャルを引き出すか、ドライバーがどうやってエネルギーマネジメントしながら速く走れるのかも大事なので、本当に三位一体です。開発の成功とポテンシャルを引き出しながらドライバーがきちんとそれを走らせているということが今シーズンの好調の秘訣かなと思います」と西川エンジニア。

 実は西川エンジニアは3月いっぱいで現在の担当を離れることが発表されており、今後のニッサン・フォーミュラEチームのパワートレイン開発については、4月から新たに岩瀬拓郎エンジニアが就任し、来季からのGEN4の開発を担うことが明らかになっている。今回の会見では西川エンジニアが今後の自身の役割について説明する場面もあった。

「4月から日産の車両開発部主幹を拝命していまして、いちプロジェクトの開発責任者という立場になりました。どういった技術を量産車に搭載していくのかということ決める立場になります。ですので、今まで培ってきたフォーミュラEで得られたものというのをどうやって量産車に採用していくのかというところを自分で体現していく立場になりましたので、そういう意味ではすごくワクワクしながら仕事しています」と西川エンジニア。

 フォーミュラEに関しては担当として離れた立場になるが、今週末の東京大会に向けては「昨年度2着だった後に、インタビューを受けてすごく複雑でした。同僚から『西川、2位なのに満足してないのか?』とか言われたので、今年は表彰台独占で、満面の笑みで迎えられたらいいなと思っています」と、期待で締め括った。

[オートスポーツweb 2025年05月14日]

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