押収されたトランプやメニュー表など=15日午前、東京都渋谷区 マッチングアプリで男性を誘い出し、飲食店で高額な請求をしたとして、警視庁保安課は15日までに、東京都ぼったくり防止条例違反容疑で、飲食店従業員の佐古壮汰容疑者(22)=東京都新宿区舟町=ら男女3人を逮捕した。いずれも容疑をおおむね認めているという。
同課によると、佐古容疑者らのグループによるとみられるぼったくりの被害相談が、昨年9月〜今年5月に渋谷区周辺で54件あり、被害額は計約8000万円に上った。同課は他にも関わったメンバーがいるとし、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)とみて実態解明を進める。
グループは、マッチングアプリで男性を誘い出し、メンバーの女とグループの店舗で飲食させていた。女が男性に「トランプゲームをして、負けたら飲もう」などと持ち掛け、酒を大量に注文。その後店側が高額な飲食代を請求し、ATMで預金を下ろさせたり、クレジットカードで貴金属やブランドバッグを購入させたりしていた。
「別の客の予約がキャンセルになった」などと言い掛かりをつけ、損害賠償金名目でも金銭を請求していた。
グループは障害者向けのマッチングアプリも悪用し、障害者の男性にも同様の手口で高額請求していた。男性を監禁したり、実家に押し掛けたりして金銭を要求していたとみられ、同課が調べている。
逮捕容疑は1月中旬ごろ、渋谷区道玄坂での飲食店の代金などの名目で現金110万円やネックレスなど約75万円相当を強引に取り立てた疑い。