広瀬すず「遠い山なみの光」で10年ぶりカンヌ映画祭「あの時すごかったと思い10年過ごした」

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2025年05月16日 10:24  日刊スポーツ

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カンヌ映画祭ある視点部門に出品された「遠い山なみの光」の出演者としてレッドカーペットを歩く、三浦友和と広瀬すず(C)Kazuko Wakayama

世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス)ある視点部門に出品された日英合作映画「遠い山なみの光」(石川慶監督、今夏公開)が15日、同映画祭の劇場、ドビュッシーで公式上映された。


15年に出演作「海街diary」(是枝裕和監督)がコンペティション部門に出品されて以来10年ぶり2度目の同映画祭参加となった広瀬すず(26)は、約5分間にわたるスタンディングオベーションを受け「すごく特別な空間の中で映画が届いたんだなというのをすごく実感できる瞬間だったなと、いまだにやっぱり景色が焼きつくような、そんな空間でした」と感激。


「やっぱりあの時のことって、すごかったんだなって思いながらこの10年過ごしてきた」と、再びカンヌ映画祭に参加するまでの10年、胸の奥に抱いていた思いを吐露した


広瀬は、ゴールドの大きなタフタが片袖についた黒のルイ・ヴィトンのドレスを身にまとい、レッドカーペットをさっそうと歩いた。10年前、白と水色が基調の、かわいらしいワンピースで歩いた時から成長し、大人の女性となり、再びカンヌのレッドカーペットに立った。


上映後、日本メディアの囲み取材に応じた広瀬は、10年前に参加した当時を振り返り「当時は全然、何もこの世界のことも映画のことも知らないまま、ただついてきちゃった、みたいなテンションですごくラッキーな感覚でいたので」と口にした。


「海街diary」では、4姉妹を演じた綾瀬はるか(40)長澤まさみ(37)夏帆(33)の中で、当時の年齢は16歳。最年少だった。「やっぱりあの時のことって、すごかったんだなって思いながらこの10年過ごしてきたからこそ、改めて今、来てみて、いろいろ感じること思うことがありました。街ごと映画を盛り上げるというこの空気感はやっぱりなかなか経験できない、カンヌならではの世界だなと思います」と改めてカンヌ映画祭の素晴らしさを感じたという。


「前は手触りがないまま帰ってしまったような感覚なので、今回は思う存分楽しみながら浸りたいなと思います」と笑みを浮かべた。


「遠い山なみの光」は、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロ氏(70)の、1982年(昭57)の長編デビュー作の映画化作品で、同氏が生まれた50年代の長崎と80年代の英国が舞台。広瀬が演じた主人公の悦子は、長崎在住時代に原爆を経験し戦後、英国に渡る。英国人の夫との間に生まれた娘ニキが、大学を中退し作家を目指そうと執筆のために自宅を訪れ、数日を共にする中で、最近よく見る長崎で暮らしていた頃に知り合った謎多き女性・佐知子と幼い娘の夢について語り始める。


カンヌ映画祭には、80年代の悦子を演じた吉田羊、悦子の夫で傷痍(しょうい)軍人の二郎を演じた松下洸平(38)、二郎の父でかつて悦子が勤務していた学校の校長・緒方を演じた三浦友和(73)が参加。3人とも、カンヌ映画祭への参加は初めて。ニキを演じたカミラ・アイコも参加した。


石川慶監督(47)の作品がカンヌ映画祭に出品されるのも初めて。イシグロ氏も、1994年(平6)に米俳優クリント・イーストウッドやフランスの俳優カトリーヌ・ドヌーブらとともにコンペティション部門の審査員を務めたが、出品者側として参加するのは初めてだった。

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