2025スーパーフォーミュラ第2大会もてぎ 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) 2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権で第4戦を終え、61ポイントでランキング首位につける太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。そんな太田が着用するヘルメットは、2024年第6戦/第7戦富士から使用されているものだが、太田と気鋭のアーティストである真田将太朗氏、そしてヘルメットペイントを手がけるA-KEYS DESIGNの北川晃氏によるアーティスティックなデザインとなっている。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権を経て、2023年にスーパーフォーミュラデビューを飾った太田は、その年の第9戦で初優勝。2024年もランキング3位につけ、今季は第4戦終了時点でランキング首位につけるほか、並行してIMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンシップにも参戦するなど世界進出も果たしている。
そんな太田が2024年の富士から着用しているヘルメットは、アーティストの真田将太朗氏、A-KEYS DESIGNの北川晃氏とともに作り上げたもの。真田氏は画家として数多くの抽象画を手がけているほか、テレビやYoutubeにも出演するなど活躍している。また、かの戦国武将、真田幸村の末裔でもある。
レーシングドライバーとアーティストという、まったく関係がなさそうなふたりではあるが、「共通の知り合いが定期的に食事会をやっているのですが、そこで知り合いました」と太田は言う。太田は25歳、真田氏は24歳と年齢も近く意気投合。とんとん拍子でヘルメットを手がける話が進んだという。
「彼の作品も見たのですが、彼はいろんなテレビにも出たりYoutubeチャンネルも伸びていて知られている方ですし、何より作品に魅力がありました。抽象画はふだんそれほど触れる分野ではありませんが、ヘルメットのデザインにもすごくマッチしそうだと感じました」と太田。
「お互いの業界へのリーチも広がると思いましたし『面白いね』と意気投合して始まった感じです。ビジネスの要素はまったくなくて、『お互い頑張りたい』という気持ちで始まりました」
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ただ、ヘルメットはレーシングドライバーの“もうひとつの顔”であり、モータースポーツならではのデザインが求められる。そこで、太田がFIA-F4に参戦している頃からヘルメットペイントを手がけてきたA-KEYS DESIGNの北川晃氏にデザインの“落とし込み”を求めることになった。
太田は「北川さんには今までも無理難題をお願いしてきたのですが(笑)、いつも頑張ってデザインを作ってくださった方で感謝しているんです。真田くんにデザインを作ってもらうことはできますが、それをヘルメットに落とし込むためには、やはり北川さんの力を借りなければいけませんでした。真田君のデザインを、これまでも僕が使ってきたデザインに落とし込み、ヘルメットとして完成させるのは北川さんでなければできなかったと思います」と振り返った。
三者のコラボレーションにより、A-KEYS DESIGNと真田氏との間でマスキングなどの作業を経ながら「ヘルメットが行き来していた(太田)」とペイントが仕上げられていった。こうして完成したデザインは真田氏らしい鮮やかな色彩が、これまでの太田のヘルメットデザインと高い親和性をもって融合されている。
「北川さんにも本当に受注が多いなかで対応してもらって、感謝しています。デザインとしては、今までのなかでもいちばんのお気に入りと言っていいくらいです。みんなにもカッコいいと言ってもらえていますし、完成度もメチャクチャ高いです。イメージしていた抽象画とヘルメットの親和性はやっぱりすごく高くて、お洒落なヘルメットになったと思います」と太田もお気に入りのヘルメットだ。ヘルメットは真田氏の個展でも展示されるなど、“作品”としても完成されている。
スーパーフォーミュラでは走行中はなかなかじっくりと観ることはできないヘルメットだが、機会があればぜひご注目いただきたい。ちなみに太田によれば「今年中にはたぶんもうひとつ作ると思います」とのことだ。
[オートスポーツweb 2025年05月17日]