最終アタックで2台にアクシデント。ウイング飛ばした野尻が22回目のポール獲得【第5戦予選レポート】

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2025年05月18日 11:50  AUTOSPORT web

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ポールポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)/2025スーパーフォーミュラ第5戦オートポリス
 2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の公式予選がオートポリスで行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN)が自身22回目のポールポジションを獲得。2位は山下健太(KONDO RACING)、3位には先月の第3・4戦をWEC出場のため欠場し、久々のスーパーフォーミュラドライブとなった小林可夢偉(Kids com Team KCMG)が入った。


■今季負けなしのダンディライアンは中団に沈む

 当初は1大会1レース制で17日(土)に行われるはずだった公式予選だが、悪天候により終日走行がかなわず、18日(日)の朝に順延。予選方式も通常のノックアウト方式ではなく40分間の計時予選へと変わった。雨は降っていないもののどんよりとした雲が低いところで立ち込め、気温は18度、路面温度は20度。コース上はウエットパッチが残り、ところどころに滑りやすいポイントもある中で9時40分からこの週末初となる走行セッションがスタートした。

 セッション開始から全車が続々とピットを離れてコースイン。ほとんどの車両は連続周回に入った。最初にコントロールラインを通過したのは太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)で、1分34秒443。翌周には1分28秒196まで自己ベストタイムを縮め、これが各車の最初のターゲットタイムとなる。2番手には0.1秒差で野尻が続き、その野尻に0.005秒差で可夢偉、さらに0.1秒差で牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いた。

 折り返しを迎える頃には、他のドライバーも徐々にペースアップしていく。岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、野尻、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)らが太田のタイムを上回っていくなか、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が1分27秒020でトップに躍り出る。さらに野尻が1分26秒757で、いち早く1分26秒台に入れ福住からトップをもぎ取っていった。

 残り10分を切ったところで、上位陣は野尻、福住、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、山下、岩佐という顔ぶれ。山下はその後、セクター2で全体ベストを記録して1分26秒803で野尻に続く2番手に浮上した。

 残り時間がノックアウト予選同様の7分になると、ほとんどの車両がピットに戻り、最後のニュータイヤに履き替えて最終アタックに向かう。このタイミングで小林がセクター3で全体ベストを塗り替え1分26秒928で3番手に飛び込んでくる。この時点でのトップ6は、野尻、山下、小林、福住、坪井、フラガという面々だ。

 予選セッションも残り5分を切ると、各車が一斉にコースイン。いよいよアタック合戦が始まるものの、そのアタックラップで暫定トップに着けていた野尻が1コーナーでコースオフし、フロントウイングを破損。さらにセッション終了ギリギリのところでフェネストラズが最終セクションでストップし、黄旗が振られてしまう。

 これでほとんどの車両はベストラップを更新することができず、予選は終了。セッション中盤で野尻がマークした1分26秒757が最速タイムとなり、野尻の今季3度目、通算22回目のポールポジションを手にした。野尻はフロントウイングのないマシンをパルクフェルメに戻してポールポジションの記念撮影に臨むという、珍しい光景となった。2番手は山下で、前戦もてぎ大会でのポールポジションに続き上位グリッドを獲得。3番手には可夢偉と続いた。

 以下、福住、坪井、フラガというトップ6。ポイントリーダーの太田は8番手、昨年のウイナー牧野は13番手と、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2台は中団に止まることに。 また、今回がオートポリス初ドライブとなったザック・オサリバン(KONDO RACING)とオリバー・ラスムッセンのルーキーふたりは、オサリバンが11番手、オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は21番手となった。

 41周で争われる第5戦決勝レースは、このあと14時42分よりフォーメーションラップがスタートする予定だ。

[オートスポーツweb 2025年05月18日]

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