毎年のゴールデンウィーク恒例の「名探偵コナン」劇場版、その最新作である「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」の興行収入が113憶円を突破しました(5月12日時点)。これで2023年公開の「黒鉄の魚影」の133憶8000万円、24年公開の「100万ドルの五稜星」の158億円に続き、三年連続で100億円を突破したことになります。しかも劇場公開はまだ続きます。
人気アニメの劇場版作品とはいえ、コナンの映画の何がそこまで人を引き付けるのでしょうか。未だ原作未読のボクですが、その秘密を探るため、昨年に続いて劇場に足を運びました。
鑑賞後にボクが気付いたことの一つは、テレビシリーズとの関係性でした。アニメの劇場版というと、その内容が原作やテレビアニメに干渉してストーリーに不自然な部分や齟齬が生じるのを防ぐため、独立したエピソードになっていることが多いと思います。しかし劇場版コナンは、あくまでテレビシリーズの流れの中の1エピソードという扱いです。
そのため本作でのエピソードはテレビシリーズに影響を与えるし、逆も然り。本作で描き切れなかったエピソードがテレビで後日談としいう形で放送もされたようです。テレビアニメと映画、それぞれが密接に関わっていて、作品の世界をより深く楽しめる。それが、他の作品とは違う部分なのかもしれません。
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一方、劇場版はテレビアニメの知識があることを前提で作られているので、ボクのように作品に関する知識が少ない人にとっては説明不足で見にくい部分も目につきます。特にキャラクターの人物描写は説明不足で、しかも登場人物が多いため、あまり感情移入できないかもしれません。
ただし、一見さんもご安心を! ボクのような人のためにアニメ名探偵コナン公式YouTubeチャンネルでは、今回の劇場版に関連したテレビシリーズのエピソードを「長野県警セレクション」「警視庁・公安セレクション」として期間限定で配信中です。例えば子どもにねだられて連れて行くことになった親御さんなどは、YouTubeで予習してから劇場へ行けば一緒に楽しめるのではないでしょうか。また各種サブスクサービスでは過去の劇場版も配信されています。
各種メディアで展開されている内容が密接に絡み合う、劇場版名探偵コナン。その世界観を真に満喫できる総合型のエンターテインメントといえるのかもしれません。
●著者紹介:サダタロー
1998年にテレビ番組「トロイの木馬」出演をきっかけに漫画家デビュー。代表作は「ハダカ侍」(講談社、全6巻)、「ルパンチック」(双葉社、1巻)、「コミックくまモン」(朝日新聞出版、既刊7冊)など。現在、熊本日日新聞他で4コマ漫画「くまモン」を連載中。Pixivはsadataro、Twitterは@sadafrecce。
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●連載:サダタローのゆるっと漫画劇場
漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる〜く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。連載一覧はこちら。過去の連載はこちらからどうぞ。
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