予選終了後、牧野任祐とともに牧野の5号車の底面を覗き込む太田格之進 大分県のオートポリスで行われている全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦。土曜日が天候不良で走行セッションがキャンセルとなり、急きょ日曜日の午前中に40分間の計時方式で予選が行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN)がポールポジションを獲得した。
その一方で、今季開幕4連勝中と絶好調のDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2台は中団に沈む結果となった。ランキングトップの太田格之進はセッション終了時点の順位で9番手、牧野任祐は走り出しから苦戦している動きがみられ、暫定13番手に終わった(その後、暫定結果では太田が8番手に繰り上がっている)。
ここまでの快進撃から一転した結果となったが、太田は「運が悪かったとしか言いようがないような展開でした」と、この結果を悲観視する様子はなかった。
「一発目からアタックしていたクルマもありましたけど、僕は最初のアウティングで記録したタイムも中古だったし、調子的には悪くないと思っています」と太田。
「いつも僕が集団の先頭でアタックして、(僕が)タイムを出し終えてからみんなが1周遅れでアタックしてくるという感じだったので、トラックエボ(ルーション)を考えたら充分にトップは狙えるポテンシャルはあったと思います」と手応えは充分にあったようだ。
いつもとは異なる方式で行われた今回の予選。最後には全車が同じタイミングでアタックしたことによりプッシュラップ前周の最終セクターを中心に渋滞が起きたほか、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)が最終コーナー手前のターン17でスピン。多くの車両がタイムアタックをキャンセルすることとなった。
最終アタックについて太田は「最後は赤旗のリスクやタイヤの温まりなどさまざまな状況を見越して、最初に出ていきました」と説明する。
「後ろの方が詰まっていたのをみると、僕はタイヤも温まっていましたし、作戦としては成功だったと思います。いい雰囲気でアタックはできていたんですけど、最後にサッシャが最終コーナーで止まっていてイエローが見えたので、アタックをやめました」
仮にタイムアタックを完遂できていれば「ダッシュボード上ではコンマ4秒くらいマイナスになっていたので、多分トップに近いところのタイムはでていたかな? という感じです。とはいえ、けっこう失敗もしていましたし、個人的にはもっとまとめたかったなという感じです」と振り返る。
思わぬ形で中団グループからのスタートとなるが、冒頭で触れたとおりまったく悲観はしていない様子で「展開としては良くないですけど、感触としては悪くないです。決勝はうまくやれば追い上げられるかなと思います」と、レースに向けて気持ちを切り替えていた。
一方、チームメイトの牧野はマシンバランスに苦しんでいる様子で、予選終了後もオンボード映像を始めさまざまなデータを確認し、杉崎公俊エンジニアと話し込む姿がみられた。
ここから決勝でどう巻き返してくるのか。選手権トップに立つふたりの走りから、目が離せない。
[オートスポーツweb 2025年05月18日]