日本の造礁サンゴ、ほぼすべて検出=海水中のDNAで―沖縄科技大など

4

2025年05月22日 07:31  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

船上でサンゴのDNAを含む海水を採取する作業。日本の造礁サンゴを種の上の属レベルでほぼすべて分類できるようになった(沖縄科学技術大学院大提供)
 サンゴ礁近くの海水を船から採取し、含まれるDNAを解析する方法で、日本沿岸に生息するほぼすべての造礁サンゴを種の上の属レベルで検出できるシステムを確立したと、沖縄科学技術大学院大と沖縄県環境科学センター、沖縄美ら島財団などの研究チームが21日発表した。

 沖縄科技大の佐藤矩行教授は「ダイバーによる分類調査は人手と時間、費用がかかり、広域をカバーできない」と指摘。「この『環境DNA』による検出システムは現在のサンゴの分布を解明するだけでなく、今後懸念される縮小や消滅の過程を把握するのに役立つ」と説明している。論文は日本サンゴ礁学会の英文誌に掲載される。

 動植物の遺伝情報の本体は細胞核のDNAにあるが、細胞内に大量に存在する小器官ミトコンドリアにも独自のDNAがあり、一部の配列が分類の目印になる。研究チームは日本でこれまでに確認された85属のうち83属の造礁サンゴについて、この配列のデータベースを整備し、海水サンプルのDNAと照合できるようにした。

 沖縄本島とその周辺の島々では少なくとも70属のサンゴを特定できたが、サンゴに共生する褐虫藻が抜け、死滅に至る白化現象が昨年、大規模に発生した。佐藤教授は「われわれはその前にサンゴのDNAを含む海水サンプルを得ており、宝物だ」と話している。 

このニュースに関するつぶやき

  • はいはい、KYKYǭ
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(2件)

ニュース設定